内容説明
隠れ里、台里の秘儀。甲府勤番支配の山根伯耆守江戸屋敷と甲斐を結ぶ面妖な青日明神祠の点と線。絵馬に記された謎の符諜――。甲斐武田氏の隠された金脈をめぐる欲望が、人々を陰謀と殺戮へとみちびいたのか。栄吾の死をうたがう銀之介の目前で手がかりの糸はもつれ切断されて迷宮の深底へひきずりこむ。
感想・レビュー
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東森久利斗
2
時代劇でも清張節は健在、現代もの同様、隠蔽された謎を一歩一歩手抜かりなく粘り強く探索する現場のアクティビティ、確信に迫っていくサスペンスな過程、展開。岡っ引と子分のバディな関係。見たい! 連載時の岩田専太郎の挿絵。行きたい! 見延参り。久遠寺を詣で、その後、身延山の山頂まで足を延ばす。 https://www.kuonji.jp/2023/03/15
かみふうせん
0
江戸から島流の様に武士が送られる甲州。ひたすら山の絵図を作る単調な田舎の生活、そして江戸に戻れる事はない。江戸から送られた1人の武士、栄吾が死んだとの連絡が有った事からのストーリー。謎は山奥に部外者を立ち入らせない集落にまで及ぶ。甲州の温泉、山中の風景、栄吾の友 銀之助、栄吾を思う女性2人の想い 謎の人物 映画の様な最後の場面 盛りだくさんで面白かった。2024/01/23