内容説明
「十七の花嫁なりし有夫恋」「妻をころしてゆらりゆらりと訪ね来よ」──句集『有夫恋』で一躍脚光を浴び、田辺聖子氏が「川柳界の與謝野晶子」と絶賛した川柳作家・時実新子。その彼女が川柳への熱き想い、さらには自分の生きざまを切々と綴り、女性心理のあやを赤裸々に吐露した全女性必読のエッセイ集。「死刑囚の手記わたくしに無期の刑」「雨の日電話つながりそうで切る」「十人の男を呑んで九人吐く」十七文字に集約された精選のことばが素直な文章と響き合う。
目次
富士正晴という蛙
チンパンジーを抱く
桃の種
人生ってやつは…
闇夜の米
水恋い記
五十枚の絵
おつゆさん
迷子拾うて
ももさくら
こざっぱり
わたしはカモメ〔ほか〕