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内容説明
「幽霊なんて、いるわけがない」という人も、頭のすみではやはり何か引っかかるものを持っているはず。「幽霊はいる」と信じている人も、この科学の時代に、確信のゆらぐこともあるでしょう。幽霊は「いる」派も「いない」派も、ちょっと中村さんの話に耳を傾けて下さい。この本には中村さんが長年かけて収集した怪談の事例がいっぱい入っています。そしてその話の奥の方から、不思議で怪奇な人間の「心」が見えてきます。そうです、“幽霊は出る”のです……。〈本書は、1988年7月、講談社ブルーバックスB-736として刊行されました。〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
8
のどかな時代の語り。「これはアルコールも手伝っての妄想」「これは負い目を感じたことから来る錯視」など、幽霊話をすべて心理的にバッサリ否定。結論に迷いもなく断定が速い。精神医学のモノサシに全幅の信頼を寄せているかに見えて、のどかだなあと。怪異譚の出典が医学雑誌「医事新報」であったりするのは少し面白い。幽霊は人に付き妖怪は場所に付くのが和風であり、西洋の幽霊は場所に付く猫型が多いとの指摘(p.240)もある。そうかもね。科挙の試験を受ける貢院は独房のように狭く、しばしば幽霊が出るという(p.202)。2023/10/06
mittsko
7
精神科医の著者は、心理学と生物進化論の立場から、古今東西の主として「怪談噺」、副として怪異体験談を、次々と説明していき、それらは「精神医学の立場から科学的に説明可能な現象」と断言する(8頁)。精神科の患者たちと、噺のキャラクター、怪異体験者とが「オーバーラップ」すると言うからには、その人たち個々人に決して差別的ではないにせよ、彼らの語りは所詮、幻覚、幻聴、錯視にまみれた幼児的、退行的なものだとみなす。※ 最近は、こうした立論の怪異解説はめったに見かけないが、戦後のかなり長い期間、これこそがスタンダード!2023/08/18
ねこ
3
心霊現象は錯視、幻覚、せん妄、催眠によって引き起こされるというのが著者の立場。 著者は精神医学に精通していることから超自然的な出来事が書かれた話は人の認知の歪みにより起きているという主張。 たしかに寝る直前などは入眠時催眠と言えそうだし、心霊現象が起きやすい場所というのも「感覚遮断現象」と言えそう。 ただその中でも説明できない現象があることもたしか、とのこと。 いまだに不思議な現象には遭遇したことがないので絶対的に信じることも難しいけど。2023/09/26
えびちり
3
幽霊という存在を否定することなく、それが見えてしまうメカニズムを真面目に心理学観点からエッセイ風に解説している一冊。心理学的な側面ばかりが目立ち、別の解釈もあるのではと思う部分もあるのですが、それは作者が心理学者だから仕方がないか。1988年の本なので、微妙に古い学説部分もあるのですが、それでも真っ向否定ではない、過去の幽霊小話を絡めた解説は興味を持って読み進めることができました。ま、ちょっと幻覚説が多すぎて(そのプロセスの違いは様々に解説されているにせよ)最後にはお腹いっぱい気分。2016/06/23
クロッチ
1
読んでみると確かにもっともだなぁと思うけど…2017/11/20
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