内容説明
マレーシアの高原カメロン・ハイランドの密林に消えた大富豪。その謎を日本・マレーシアの両警察が追ううちに次々と起こる連続殺人。緊張をはらみつつ、事件は意外な結末へと一気に向かう。1967年に起きたタイ・シルク王「失踪」事件を背景に、雄大な構想でまとめあげられた本格長編推理完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
toshi
11
綾辻行人、有栖川有栖、島田荘司と言った作家の作品を読んでしまった後では、やっぱり古臭く感じてしまうけれど、当時はこのあたりがミステリの本道だったんだろうと思う。 もうすでに知っているメンバーの間でさえ、同じ内容のセリフを詳細に何度も繰り返すのにはちょっとイライラ。 取ってつけたようになりがちな最後の謎解きが、あまり不自然な感じでなく流石。。2019/04/06
R.Hand
8
迷宮入りした事件ですが、作者なりの結論は信憑性を感じました。 回答編が長いようにも思いましたが、お見事と言って良いかと思います。(3.3)2015/05/16
たす
5
そう回収するのか…この時代背景があってこその物語だと、改めて思わされる。とはいえ、現代から見ても決して古さを感じさせることなく、歴史や地理を学びながら読むことができ、非常に面白かった。マレーシアという熱帯ジャングル、原住民、中国系の寺院、西洋人たちが建てた別荘の様子、そして日本からのレビュー団の色彩の鮮やかな描写に引き込まれる。いつかこの本をもって舞台となったキャメロンハイランドに行ってみたい。2023/12/04
y_e_d
3
フィクションとノンフィクションを上手に組合せ、かなり広範囲に広げた伏線を丁寧につなげる技術はさすが巨匠の為せる業と唸るしかない。ただ、合同戦没者遺骨収容団の話と、下沢ヒロ子の出身が静岡であることが語られたとき、平造の登場は読めてしまった。反面、久太郎の話はまったく予測できなかった・・・ それにしても綿密な取材と事件の解析、また舞踊団の描写など、どれもこれも凄味を感じずにはいられない描写で、伏線が混み入り過ぎるとつまらなくなるものが多い推理小説としては別格の面白さだった。2018/01/25
ユウヤ
3
Y君が教えてくれたこの作品、久々の清張本となった。サカイ族の賢者の正体は想像がつかず最後に大きな驚きが待っていたが、やはり清張作品の根底にはあの戦争がある。マレー半島上陸作戦に近衛師団が投入されていたことは今回初めて知ったし、初戦の熱狂の裏にこのような運命に翻弄された人がいたことも小説の中とはいえ忘れてはならない。ところでウダ・ビン・タマン氏は棺の中で息絶えていたからこそオスマン警部は車をクロス荘に向けたのだろうか。トリカブトの存在が頭をよぎる。それにしても川口舞踊団の舞台を表現する清張氏の筆力、流石だ。2017/05/06
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