内容説明
大倉治郎、48歳。かつては国際商社マンとして活躍した。今は第一線を退いて欧亜商事札幌支店苫小牧出張所の所長をしていた――が、元CIA要員、クロフォードからの電話でたちまち過去へと引き戻されてしまう。北方領土の近く、真琴内という小さな漁港で不穏な動きがあるという。謀略阻止の依頼だった。昔の仲間“ジャン”も駆け付けた。過去の罪を背負ったまま生きていた大倉は、自分の死に場所を求めるようにして真琴内へと向かう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶうたん
5
「太陽の世界」の頃に書かれた北海道を舞台にした正統的な冒険小説。なるほど、伝奇的なところは一切無く、こちらのイメージする、著者の作品世界とはちょっと異なる。現代物でこの作風は著者の本としては異色と入っても良いかもしれない。そのせいか少々読みにくいのは、馴染みのない北海道の風景のせいか、こちらの思い込みのせいだろうね。2026/07/04
kaikoma
2
北海道好きにとっては、ロードノベルの要素が強いので、とても楽しめる作品です。まだまだ元気だった北海道の国鉄も健在で、地方の町や村も今程寂れていなそうです。会話文が改行されずに続くのが、手法として気になりました。当時は流行っていたのでしょうか。2025/10/20
ふじい
1
再読。細部はさておき実体験に基づく表現であることがうかがえて素晴らしい。冷戦時代、孤独な元スパイの視点でロードムービー的に格別の説明なく話しが進む。物語は核心の少数民族問題にたどり着くが、書きたかったのは道東の凍てつく土地そのものであろう。2022/06/16
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