河出文庫<br> 毒薬の手帖

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河出文庫
毒薬の手帖

  • 著者名:澁澤龍彦【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 河出書房新社(2011/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309400631

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内容説明

殺人というタブーにふれる行為において、殺人者を最も魅了し興奮させた手段は毒を用いること……毒薬には妖しい魅力が満ちている。それは殺す者と殺される者の間に、劇的シチュエーションをもたらす。数ある殺人のなかでも、「毒殺」こそが犯罪の芸術なのだ! 毒薬と毒殺事件をめぐる異色のエッセイ集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

80
推理小説好きなら読んで損はない。著者は毒殺を《咒術の延長線上にある》としているが、服や食器や本や聖体パンや浣腸器に仕込んだり、毒を摂取した娘を敵に送ったり…と身震いするような奸佞邪知はなるほど咒術に通じるものがある。印象に残ったのは妖術師が使う「青ガエル」「トファナ水」、入手容易な「砒素」等の毒薬と、17世紀フランスに実在した二人の侯爵夫人の話。彼女らは悪徳司祭や魔女めいた薬売りに取り巻かれ、毒殺や変態行為の限りを尽くしたらしい。終章でシアン化物と帝銀事件に触れているが、できればサリンの話も聞きたかった。2018/05/07

やまはるか

30
 ソクラテスがドクニンジンの杯をあおって絶命するまでのリアルな様子を最近何かで読んだ。帝銀事件、名張毒ぶどう酒事件、和歌山ヒ素カレー事件など凶悪事件に毒薬が用いられている。不特定多数を狙ったサリン事件は記憶に新しい。毒薬が関わる事件は日本でも意外に多い。時代が下るにつれて社会で利用される毒物は種類も量も豊富になっている。毒を盛られて死んでいく人の苦しみと、犯罪に使われて来た歴史を知ることは無駄ではない。人にも自分に用いてはいけない。2024/05/27

阿部義彦

29
毒薬を巡る、来歴、事件、犯罪者、解毒剤等を歴史順に文化的タペストリーとして紡ぎ出します。古くから皇帝等身分の上の者が毒殺される事が多かったので、それを避けるために王宮の庭に毒草園を作り、日夜真剣に毒物や解毒剤の研究にふけっていたそうです。かなり残酷な人体実験も行われたでしょう。昔は迷信も多く、マンドラゴラやプリニウスの大好きな『海ウサギ』にも触れられています。毒殺の犯罪者には女性が多いのにも驚きます。衝動的では無く、入念な下準備が必要で、嫉妬、怨恨、金銭等が動機で多い。近代では『帝銀事件』にも言及。2024/02/23

有理数

25
澁澤龍彦による「毒薬」に関するエッセイ。古今東西のあらゆる毒殺事件、毒殺魔、毒殺方法、著名な毒の原材料といった、いったいこんな知識と情報どこから集めてくるのやら、という量の「毒」に関する文化史を饒舌に語っています。ものすごく面白い。古代ギリシアから現代日本まで。マンドラゴラの挿絵もあり、魔術的で妖術的な空気の迸る内容に惹かれる。2016/02/27

Tomoichi

23
エジプト・ギリシャに始まって毒の文化史というか殺人史をまとめたエッセイ。「ほんまかいな」というような内容に溢れるが、特に太陽王の頃のフランスはえげつない。そりゃ革命起こるわって感じです。そして遅れたきた大国ロシアも毒殺やテロの挙句革命で王政転覆。毒殺から見る世界史って本があるのか知らないけれどあったら読みたいな(笑)2016/09/06

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