角川文庫<br> ジョゼと虎と魚たち

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角川文庫
ジョゼと虎と魚たち

  • 著者名:田辺聖子【著者】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • KADOKAWA(2013/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041314180

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内容説明

足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。世間から身を隠すように暮らし、ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、管理人として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」のほか、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇、八篇を収録した珠玉の作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

590
以前に芥川賞作の「感傷旅行」を読んで、もう読むこともあるまいと思っていたのだが、小川洋子さんのご推薦で本書を手にすることになった。田辺聖子さん、ごめんなさい。貴女のことを過小評価しておりました。9つの短篇からなる、この小説集はほんとうに素晴らしい。9篇の物語は、男女の対幻想を女性の側から語っているのだが、いずれの相手も、幾分情けない大阪男なのだ(「うすうす…」と「雪の…」はちょっと例外)。このあたりは大阪出身の織田作之助『夫婦善哉』の伝統の継承者たる面目躍如たるもの。通俗的な文体もある意味では効果的だ。2015/04/07

ミカママ

558
リアルタイムで手を出して挫折してたやつ。お聖さんの代表作ともいえるこちらを素通りはできまい、と。ていうか短編集だったんだ。主人公はどれも妙齢の女性。私生活に出入りする男性たちへの期待、苛立ち。なんというかやはり、女性の心理描写が巧い。30年以上前の作品なのに、当たり前だけれど、女性の置かれる環境ってあまり変わってないのだな。映像化された作品もあるらしいので観てみたい。2022/12/23

おしゃべりメガネ

199
田辺先生作品、意外?にも初読みでした。いいですねぇ~、関西丸出しの雰囲気が適度なスピード感&テンポを保ち、ほのぼのとしたアットホームな空気をさりげなく醸し出し、そして何より人間味が溢れ出ているステキな短編集です。悪い意味ではなく、あまり深く考えず、そして構えるコトなく読み始めて、そのままのリラックスした姿勢で読了できるのはありがたいです。表題作は映像化もされており、妻夫木君が若いころの作品ですが、また観たくなりましたね。表題作以外にも田辺さんのスタイルがぎっしりと堪能できる珠玉の素晴らしい作品でした。2016/06/25

れみ

196
田辺聖子さんの短編集。表題作は映画として知っていたけど原作が田辺聖子さんのものとは初めて知った。どのお話もラストに「この後どうなったんだろう」という余韻があるところに心惹かれる。どのお話もわりとテンポ良く読めて良かった。2015/02/22

エドワード

177
田辺聖子さん追悼。彼女の古典ものは結構読んだ。現代ものはあまり読んでへんかった。実は恋愛小説の草分け的な方なんや。今の人はみんな彼女の弟子のようなもんや。ねっとりとした男女の関係、時に息苦しく、時に哀しく、いとおしい。ホンマ近松の世界や。何といっても、大阪弁が美しいんや。「僕かて辛いねん」「会うたってくれへんか」「早よ来よし」「すぐ来るよって、連絡しぃや」「どないせえ、ちゅうねん」えげつない漫才言葉が世にはばかる前の、たおやかな大阪弁。子供の頃に聞いた言葉たち。「なあへ」は懐かしすぎて笑てもうたわ。2019/07/07

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