内容説明
南郷次郎は刑事弁護士。親友の懇願で九州島原半島の虻田の津へ向かう。当地の名門・虻田家の複雑な相続問題解決のためだ。途端に事件が! 有力相続人が落石で頭を砕かれ、程なく次の有力者も金槌で頭を割られる。犯人は「上」を狙う癖らしい。死者は四人に……。親友の生命も危ない。危機の中で南郷の勘が冴えた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三平
11
縁があって何度も訪問したことがある長崎県島原地方のある土地が舞台なので手にとってみた。目の飛び出る程高額な長距離電話、アメリカから借りていた旅客機事情など昭和30年当時の風俗が感じられて面白かったが、ミステリとしてはアンフェアな箇所が所々ありいただけない。せっかく地方を舞台にしてるのに、土地の人たちが全く方言を話さないのもどうかと。物足りない作品だった。2016/06/26
kanamori
0
☆☆★2011/10/15
卍ザワ
0
テンポよく読みやすい。よくわからないが、シリーズものだろうか?ローカル色の描き方がうまい。2時間サスペンスドラマというカテゴリーなら、良質なほうになる。本書を出版した時期から、テレビドラマを意識したミステリーの嚆矢になるのでは。普通に、ちょんの間がでてきたりするが、テレビドラマになるなら、当たり障りのないスナックあたりに変更するんだろうな。主人公の南郷弁護士が、船越英一郎がよく演じるキャラクターそのもの。2014/04/06
慧
0
★★
コマンドー者
0
島田一男氏の代表作。戦後を舞台に遺産相続を絡む連続殺人を描いているが、結構軽いタッチで展開していく。正直、傑作と言われるほどの出来とも思えないのだが・・・。2022/01/25