内容説明
浅草の映画館で、妊娠三か月の女性の死体が発見された。死因は青酸死。中年女性顔まけの濃いアイシャドーをつけた厚化粧の下には意外に稚ない顔が覗いていた。だが死体のまわりには、女の身許を明らかにするようなものはなにもなかった。被害者は、一体どこの誰なのか? 事件の謎をとく鍵は、彼女が残した黒いハイヒールに!? 複雑な男関係。都会で一人生きていくために少女から女へと変身しようとした彼女に何が起こったのか。オリジナル短編集(単行本未収録)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
2
昭和61年 6月25日 初版。「勝手に西村京太郎祭」第110作品目。角川文庫と双葉文庫と出ており都合文庫214冊目。下の人もおっしゃってるが、読点が多い。筆も冴えないのでゴーストか。 「午後になって、小雪がちらつき、夜に入ると、それが、雨に変った。」ってな感じである。読点は「ちらつき」の後ろに一つで良いと思うのだが。春先ゆえに「午後になって小雨がぱらつき、夜に入ると雪になった。」ほうが自然か。どうか。万事この調子なので読みにくい。2016/04/30
浅木原
2
中編2本と、短編1本。十津川が、登場する、最初の、「人探しゲーム」(76年)は、いかにも、ルーチンワークな、凡作。だが、64年発表の、表題作と、「海の沈黙」は、初期の、社会派路線の、作品で、悪くない。表題作は、「歪んだ朝」の、18歳女性版。ラストの、哀愁が、胸に沁みる。「海の沈黙」は、〝辺境の論理〟ものの、一作。それぞれ、傑作とは、言わないが、実に、初期西村らしい、短編だ。しかし、特に表題作は、最初期作なのに、どうして、こんなに、読点が、多いのか。本に、収録するに、あたって、読点を、わざわざ、増やしたの?2016/02/13
雪華
1
珍しく十津川警部が電車に一切乗らなかったので、それはそれで楽しい。2013/10/03