内容説明
宮城県鳴子温泉で高村本因坊と若手浦上八段との間で争われた天棋戦。高村はタイトルを失い、翌日、荒雄湖で水死体で発見された。観戦記者・近江と天才棋士・浦上が謎の殺人に挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
138
内田氏の2作目のとても珍しい囲碁ミステリーです。暗号トリックは容易に理解できましたが逆に囲碁通にしかわからない性質の物だったら良かったのにと思わないでもないですね。それにしても些細な理由で簡単に殺人を犯す小説の世界は怖いですね。この素人探偵コンビに対する不満は複雑な事情はわかる物の真相を闇に葬ってしまう事による大変お世話になった警察官への不誠実さですね。そして浦上八段に対しては何時か愛する妻に惨いけれど大事な真実を告げた上で秘密など一切なくして心おきなく残りの人生を二人で共に歩んで欲しいなと思うのですね。2018/04/05
アッシュ姉
60
縁あって(?)手にした本書。浅見光彦シリーズが有名な内田康夫さんの初期の作品です。解説に囲碁ミステリーとありますが、知識が無くても大丈夫でした。いたって普通のミステリーとして読んだので、冗長に感じるところもありましたが、囲碁が好きな方ならもっと楽しめるのかもしれません。一番びっくりしたのは考慮時間がめちゃめちゃ長いこと。作中の対局では一人九時間の持ち時間。こりゃ見るのも大変。わしゃ無理。2016/07/13
涼
15
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2018/11/post-4846.html2018/11/13
鉄人28号
10
☆☆☆ 再読。著者2作目の長編推理小説。30年近く前に読んだ本で完全に筋は忘れていたが、魅力的な謎の提起があって引き込まれた。当時私は内田作品を読みあさっていたのだが、この作品を読んだ後、碁好きの父に「読んでみない?」と勧めたのであった。その父が昨年亡くなった後、父の家の書棚を整理していた時にこの本が出てきて読み返す気になったものである。囲碁をモチーフとした作品で棋譜がトリックに用いられていることなどは斬新であった。やや人が死にすぎで読後感は今一かなと思った。郷原宏の解説が良い。2016/10/11
しんた
6
初期作品でエッジのきいた構成。舞台は宮城と秋田の県境。悲しい作品。2018/08/18