内容説明
西欧の尺度、西欧中心のものの見方を拒絶したところから、著者の女性史研究は始まった。アジア近代化の陰に埋(うず)もれ、犠牲になった「からゆきさん」ら底辺の女性たち。そこに視点を置いた本書は、名作『サンダカン八番娼館』の源流であり、「若い人たちにこそ、ぜひ読んでもらいたい」と著者も熱望する“もう一つの女性史”である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえまつ
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『ぼそぼそ声のフェミニズム』の先駆書といっても差し支えない書物。 江戸時代以降、アジアと「交流」する「底辺女性」をインタビューを交えて記載。 周縁化されがちな下層に属していた女性の資料がごく少ないというのは、想像に容易い。しかし、こうした情報こそ「エリート女性のもの」になりがちなフェミニズムを拡大していくのに必要であるはず。 →実際、近代頃の大多数を占める女性は下層に分類されるだろう。武家の娘などももちろん女性蔑視を受けていたことは言うまでもないが、彼女らはあくまでも上流に属していた。 2021/09/13
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- 君は素知らぬ顔で 祥伝社文庫




