内容説明
波乱万丈の物語を支える小説技巧の冴え。大人の読者のための痛快な伝奇小説。生のダンディスムと粋な悪に生きようとする青年男女の一味徒党が、現代の都会を背景に、反体制の仇花を撒き散らす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
17
青年の男女が超自然の力を授けられたのは彼らの純然たる意志に地の底深くに棲む善なる祖神が与したゆえであろう。現世の俗悪どもに対するとき、知謀を凝らし超常の力を晒して見せることに何の躊躇いがあるものか。北斎漫画ならぬ石川漫画。そして、次第に凄みを帯びてくる青年男女の教養小説ぶりは劇画である。そういう中で、ちゃっかりレンアイを成就したと思える爪弾き者もいる。伝奇にアクションに諜報に教養にレンアイに落語に、と、テンコ盛りだけど味はまとまっていて美味。八十歳の翁が成就した小説の極北と言えるのではないか。 2020/02/25
Mark.jr
1
読み直し。 ガルシア=マルケスの「百年の孤独」がラテンアメリカならではのマジックリアリズム文学であるように、日本の独自のマジックリアリズム文学はどれかと問われたら、この本を挙げます。他の著者の作品と同じく和洋漢の該博な知識に裏付けされていますが、財閥の社長の殺人事件を追うという伝奇エンターテイメントとしてもオススメの作品です。2019/08/04
丰
0
Y-202005/02/12
モーリス
0
ふつう