内容説明
ある日ホームズのもとへうら若き女性の依頼人が現れた。
インドから帰国した父親が、女性が17歳のときに失踪してしまった。ところがそれから後毎年のように、ひと粒の美しい真珠が送り届けられるようになった。
だれが送ってくれるのか、その正体はまったくの謎。
ところが今年は、妙な招待状が届いたというのだ。
「・・・あなたは不当に虐待されている女性ですから、正当なつぐないを受けさせてあげます。・・・」
無限の冨を持つとみられる軍人の怪死からはじめて明るみに出た“四人の署名”の秘密。
インド王族の秘宝をめぐり、ロンドンの水路を舞台に繰り広げられる争奪戦。
シャーロック・ホームズものの長編第2弾、ここに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
piro
33
シャーロック・ホームズシリーズの4編ある長編のうちの一つ。この作品は未読でした。早々に犯人の目星はついていながら、なかなか足取りが掴めない展開故、いつものホームズの鮮やかな切れ味がやや曇り気味。でも最後の捕物劇はスリル満点で楽しめました。その分ホームズもお疲れの様です。インドから始まる事件の壮大さは長編ならでは。そしてワトソンにとって、とても重大な事件となったこともストーリーに花を添える印象です。2025/06/09
ヒロ
19
ホームズ長編第二弾!!ワトスン博士のロマンスが(^^)不思議な手紙を受け取った若い婦人がホームズの元を訪れた事から始まります。前回の緋色の研究もそうでしたが、犯人サイドの話も面白いですよね。犯行動機と言うべき部分をあれだけガッツリ書いてるなんて!今回のホームズの洞察力も凄かった〜2014/05/24
ユーモ
16
ホームズシリーズ2作目。徐々にドイルの作風にも慣れてきた。前作よりも難解なミステリーに仕上がっている。また警察が最終的にホームズに渋々協力を求めてくるという構図が気持ちいい。ただ動機の究明のために犯人の過去に遡るという点は前作同様で少々古臭さが否めない。そして、何より驚いたのがホームズのコカインの日常的な使用である。2017/11/26
shiaruvy
14
★4.5 [1998.09.11 60版] 旅先のお供に連れてきた。 《キ印探偵》やら《ワトソンくん誘導でのあてずっぽう推理》やら阿保な酷評する事多いが,拡大縮小大好きなレンズ狂で実証主義者のお話は何度読み返しても面白い!2013/02/05
ぺんぎん
12
この前「緋色の研究」を読了したので、じゃあ次はコレをという訳で読んでみたら、昔の本にありがちな文字の小ささに面食らったけど、グイグイ惹き込まれて一気読み。ホームズがまさかのコカイン愛好者だったり、ワトソンが依頼者の女性と結婚したり、驚きの展開もあり。このタイミングで女性に告白したら財産目当てと思われないだろうか等とクヨクヨするワトソンが良い。しかし前回に続いて、警察の推理は全く当てにならないな。そしてこの物語は東インド会社とかセポイの乱の知識があった方が楽しく読めそうなので、それらを踏まえて再読したい。2024/09/05