内容説明
何気ない日常生活にひそむ、おかしさ、愚かしさ、そして愛の喜びと悲しみを、関西弁の味を心憎いまでに駆使して描く田辺聖子独自のユーモア世界……別れた夫婦が喧嘩をくり返しながら、いつのまにか元のさやにもどった「もと夫婦」、他に「求婚」「あじさい娘」「あめりか・じゃがたら文」「金蒔絵の雲」等9編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
71
面白かったです。何気ない日常と愛を描いた短編集。喜びや悲しみがユーモアと大阪弁を交えて描かれており、おかしさや愚かさがダイレクトに伝わってくるようでした。2018/01/15
うつぼ
0
「調子のええやつ」「機嫌のええやつ」「すぐ忘れるやつ」「悪気のないやつ」が、トクすんねんなあ、というのを、常にそうでない側の「不器用なやつ」「負い目に感じやすいやつ」から見つめた、深刻になりすぎない上方人間観察記。標題の、「もと夫婦」なんて、なんでやねん!とツッコミながらよんでしまうのだが、案外こういうふうになってしまうのが、当人にとっても楽なのである。2018/05/26