内容説明
精神科医の私の家に、美人の患者が訪ねてきて、こともあろうに女房の前で“あたい、センセの子供、うんでみたいな”などと口走ったら……。さよう、愛することは、ままならぬものだが、愛されることは、更にままならぬ。個性あふれる患者たちの話、フランス人の妻の話、医学生時代のエピソードなど、さまざまな人間を登場させながら語られる、愛されるということ、試験のこと、車のこと、親子のこと、苦笑いというもの、殺すということ……人生の智恵とユーモアあふれるエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tj12345
1
試験、車、苦笑い、親子、回想、等々の事柄にまつわるエッセイ。豊かな体験が洒落の利いた文章でもって綴られている。特に、著者の医学生時代についての回想が多くを占める、「試験というもの」の章は、だれでも、試験を受けたことがある人ならば、笑うに事は欠かないだろう。以下はその抜粋。「同じクラスにFという男がいたが、彼は万人に認められる天才の片鱗を有していた。しかし、彼が天才そのものでありえなかったのは、彼が持ち合わせたのは、片鱗のみにすぎなかったからである。」2015/05/13
nanana.7
0
30年前とはいえ患者ネタはなかなか大胆2010/04/10