内容説明
酔い痴れて夜の歓楽街をさまよい歩く啓介は、絶えず女の視線を感じていた。それも三人が入れ替わりながらあとを執拗につけてくる。朦朧とする頭の中で、彼はそのことだけをはっきりと意識していた。外出中に妻を殺害され、現場にいつも持ち歩いていたシガレット・ケースがあったために妻殺しの重要容疑者にされた作家の風間啓介。自分のアリバイを証明する謎の三人の女を必死に探索する。だが、その中の一人を見つけた時、彼女は……。横溝正史が描く本格ミステリーの最高傑作!
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
21
妻と喧嘩して家を飛び出し、繁華街を梯子する主人公。しかし派手な服装の女達が交代で自分を尾行している事に気づく。帰宅したら、身に覚えの無い電話で呼び出された妻が出先で殺されており、自分のアリバイは証明できないのであった、と大変出だしはアイリッシュ「幻の女」(1942)風。乱歩が「幻の女」を大絶賛し(1946)、その影響で書かれた(1949)ノンシリーズのサスペンス長篇なのです。ただし共通のテーマは「謎の目撃者探し」だけなので、冒頭以外はむしろ元を知っている人をはぐらかす横溝調のミステリ展開になっています。2015/06/14
ホームズ
9
最初の方は横溝版の『幻の女』になるのかと思ったけど展開が変わった(笑)西沢の扱いが中途半端だったり3人の女の扱いも微妙だったり色々と突っ込みは入れたくなりますがそれでも楽しんで読めてしまった(笑)シリーズ物ではないですが良かったと追います(笑)2010/09/23
kamietel
7
★★★☆☆昭和24年の作品ですが、封建的で閉鎖的な舞台が多い金田一シリーズと趣が異なり、冒険活劇的な、乱歩の影響を色濃く感じる作品でした。“誰が犯人か?”という謎にのみ焦点を絞ったシンプルな展開に感じた物足りなさは時代の差なんでしょうね。しかしながら、わかり易いながらも情景が浮かぶようなタッチはさすがだと思いました。2018/09/18
shiro
5
全体的に『幻の女』ぽいなあと思いながら読んでたらやっぱりそれを意識してたみたいでなるほどと思った。展開のスピード感とか文章の読みやすさとか、ハラハラドキドキが止まらなくてあっという間に読んでしまった。犯人は途中からなんとなくわかったけど、すごく面白かった。2018/02/02
宇佐見
3
まず、文句無しのストーリー。冒頭の女に見られているシーンから最後まで、ドキドキしながらページを捲り続けた。横溝らしくない展開の連続が印象的。難点は、犯人が全く意外ではないことと、犯人に関する描写の薄さか。しかし、横溝サスペンスの佳作であることは間違いない。4/52015/11/07
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