内容説明
酒場の客で、もと奇術師、もと商杜マン、もと数学教師、もと刑事、もと俳優、そしてもとポン引きでもあったと自称するこの探偵役は、アルジェの忠太郎、すなわちアル忠氏だ。飲んだくれの名探偵アル忠氏が、見かけによらぬ鋭い洞察力で怪事件、難事件を鮮やかに解決してゆく、奇想天外の連作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
12
アルジェの忠太郎、略してアル中さんは何者なのか? その場その場で前職が違う奇人の名推理。都筑さんらしい洒脱な短編集。2013/11/22
ぞるば
1
電子版。すっきり読めて楽しかったです。軽やかで洒脱で、でもきちんとミステリ。幕切れもとても良い。心地よい短編集でした。2016/08/17
紫草
1
いつ見ても酔ってるけど、アル中というのははばかられるので「アルジェ帰りの忠太郎さん」でアル忠さん。って、そのあだ名からして、酒場の常連オヤジたちの戯れ言っぽい。忠さんは謎の人で、ある時はもと刑事、また、もとポン引き、もと小説家・・・。けろりとして毎度全然違うことを言い、実際ほんとにその職業の心得があるような、ないような。不思議なんだけど、謎解きは、きちっと論理的。理詰めで事件を解決してくれる。忠さんのその不思議なお人柄のせいか、心地よくゆっくり楽しめました。2013/10/05
kanamori
0
☆☆2010/09/29
鈴音
0
アル忠の名探偵と主人公(?)の推理作家やその周りの人々との関係性やなにかがどこかやわらかに感じるのは酒場を通じての世界観だからだろうか。「ハードボイルド」の編は『失踪日記』を読んだ後だと変な笑いが出るので、困る(>_<)2012/12/29