内容説明
ある日とつぜん、おとぎ話の主人公になりたいと、とんでもないことを言い出した〈王女〉、なぜか、鬼が見えるという患者で繁盛する〈神経科の医師〉、街頭で通行人相手にキャンディーを売る〈ロボット〉etc.未来・現代・過去を一つの次元にとらえ、迷路のように入り組んだ人間生活のさまざまな世界を32のチャンネルに写し出し、文明社会を痛撃する傑作ショート・ショート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nanasi
154
ショート・ショートが32編収録されています。カバーデザインとカットは真鍋 博さんです。和田 誠さんが解説をしています。「骨」と「過渡期の混乱」がお気に入りです。2013/10/31
KAZOO
151
このショートショート32編はあまり読んだという覚えがありません。どこかで抜けたのかもしれません。短いものと長いものが混在している作品集です。2ページくらいで終わるショートショートのほうがピリッという味が効いている感じがします。わたしは「べたーはーふ」というのにわらってしまいました2016/07/29
Tetchy
67
「ことのおこり」の話は昔TVの「知ってるつもり?」でこの人物が取り上げられた際に同じような事を語られていたような気がするが、気のせいかな?あと「骨」が不気味でよろしい。2008/09/07
優希
65
面白かったです。迷路のように入り組みつつ描かれた過去・現在・未来。次元が違うものを画一化しているだけでなく、短いながらも物語として成立しているのが凄いなと。2021/07/02
しゅわ
52
勝手に星さん再読祭り第39弾は無実を主張する容疑者、おとぎはなしの主人公になりたい王女…タイトル通り、さまざまな迷路のように複雑に入り組んだ人々を描いたショートショート32編。時代劇好きをニヤリとさせてくれる「町人たち」は赤穂浪士をベースにし、たった二ページで見事なオチまで運び驚嘆します。「末路」「骨」「やつら」はその後を考えると…この怖さがクセになりますね。「出口」は現代版の落語のようで店舗の良い作品。「かたきうち」は、星さんの事だからどこでどんでん返しがあるのか?とハラハラしてしまいました。2015/08/12