内容説明
舅・姑・小姑のいる大家族に嫁ぎ、「どっちでもいいの、私」方式で我を押しころし、さしたる波風もたてず、二十年。やっと、親子夫婦だけの生活がはじまった時、舟子は、せせこましい仕事にからめとられ、世の中の回転から全くそれている夫を啓蒙したい、と思った。共に楽しい人生を送るために。魚は水に、女は家にいるもの、と思っている世の男たちに、そして、すべての女たちに贈る、自立への出発(たびだち)の物語。
感想・レビュー
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優希
76
面白かったです。ちょっと昔の香りはありましたが。舅・姑・小姑と共に過ごした時間は波風立てず、夫との生活が始まれば余生を楽しもうと自立すべく立ちまわる舟子さん。専業主婦であることも大変ですし、いざ自由になればその後をどうすべきか考えていくのもまた大変なことなのですね。夫が仕事に絡められているならば余計に。女性は家にいるだけが必要条件ではないと言いたいのではないでしょうか。共働きが当たり前になりつつ今とは少し違う時代なので、わかる人はわかるという印象です。2018/05/24
優希
51
昭和の香り漂う物語でした。舅、姑、小姑のいる大家族に嫁いだ舟子さん。波風立てず、一見穏やかな生活のように見えました、親子夫婦だけの生活が始まれば、楽しく生活するために夫を啓蒙したくなるのはわかる人はわかるのだろうなと思います。自立への出立の物語とも言えますね。面白かったです。2022/03/16