内容説明
ほかの踊り子には真似のできない“演技”を彼女は見せた。舞台のはしにしゃがんだ彼女の花弁のあいだから、ひとすじの流れがするするとあふれ出す。照明の光をあびて、それは感動的な光景だった。……ストリッパー一条さゆりの性と生を、舞台と日常を、暖かいまなざしで共感こめて描く異色の傑作小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
24
表題の一条さゆりは70年代頃耳目を集めたストリッパーで、その芸に惚れ込んだ作家が自分をモデルにして連作小説として発表した物。簡単にストリッパーと書いたけど、時代、世相によって概念が変遷してきたのも事実で小生が見聞きして、考えたり、他の芸事、放浪芸とかを考えていた頃のストリップ劇場と踊子さんはこの時代の物と合致している。想像だが、一般的には例のドリフターズ・加藤茶の「チョットだけよ」の大受けは「見たことは無いけど、そういう物があるらしい」って感じで広く社会に認知されていたと思われる。続く2025/04/07