内容説明
男はひんぱんにうなされていた――彼のみる夢の中には恐ろしい顔をした男が現れ、彼の前に仁王立ちになるのだった。その男の両手は、たった今まで人間の内臓をかきわけていたかのように血にまみれている。そして今、その血まみれの手の男が現実の中に出没しはじめた。「俺は気が狂ったのか……?」広告代理店に勤め、家庭を愛する平凡なサラリーマンを襲った悪夢の正体は何か? 直木賞受賞作家が描く、戦慄と恐怖のスリラー・サスペンス。表題作ほか「血霊」「自恋魔」など4編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
97
曽根圭介さん『鼻』解説で、同様の作品例として挙げられた表題作。広告代理店勤務ながら酒も煙草も博打もやらず、派手な営業より地味な経理を実直に務め、妻と子を何より大事にする、虫も殺せぬ善良でおとなしい会社員・加藤一郎。平穏をこよなく愛する彼の心を乱すのは、繰り返し夢に現れる恐ろしい形相の男。目の前で仁王立ちする男の両手は、たった今まで人間の内臓を素手でかき分けていたかのように、どろどろと血にまみれている。夢ばかりか、煙草に火を付ける課長の、細い銀色のライターにも得体の知れぬ恐怖感じる加藤。そんな彼の元へ→続2016/02/21
グラスホッパー
6
久しぶりに読んだ半村良。表題作は、覚えていた。当時は衝撃的だった。SFの切れ味は鋭いと思う。 他の作品は、昭和の風味たっぷりだった。2019/06/13
けいちゃっぷ
3
やっぱり表題作が秀逸。なんだけど、しばらくすると忘れちゃうんだよね。
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