内容説明
川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。白髪の隠居と商家の若旦那。ここに4人を〈押し込み強盗〉に誘う謎の男があらわれた。そして、それぞれに関わる女達。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む、闇の歯車が回る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けやき
44
居酒屋おかめの常連4人が押し込みに誘われて、一緒に押し込み。無事仕事を終えるも、金を分配される前に、運命の歯車が回り、4者4様の運命に落ちていく。通勤電車の中のように、顔だけ知っている人たちが、ある目的に集まって何かをやるという面白みもあった。長編だが短くて読みやすかった。2023/04/09
ちゃいろ子
33
闇の歯車という題名がまさに、、。 心底の悪人などではなく、みな事情を抱えていて金に困っていて。 うまい話=闇の歯車に乗ってしまうが、、、。 なんともやるせない展開で悲しくなる。 人生ってやつは、、と切なくなるが ラストに優しい希望がみえ救われる。 最初から最後まで引き込まれ世界に浸った。 2020/10/10
佐島楓
27
金欲は身を滅ぼす、というシンプルな物語。登場人物それぞれにべったりと張り付いて動向を監視しているような緊張感のある筆が印象的。2014/10/04
剛腕伝説
19
どうしても纏まった金が必要な4人。同僚の妻と脱藩したが、その妻が不治の病に罹り薬代にも事欠く伊黒清十郎。どうしてもしつこい女と別れたい仙太郎。飲み代にも事欠く老人の弥十。闇の仕事から足を洗いたい佐之助。場末で顔を合わせるだけの四人が、伊兵衛という盗賊に誘われ、押し込みを働く事になる。押し込みは成功するものの、結局伊兵衛はお縄になり、清十郎は妻を亡くし、追ってきた同僚と切り結び相討ちで死んでしまう。仙太郎は女に刺され死亡し、弥十は刺され半身不随になる。結局佐之助だけが無事で話は終わる。面白かった。2020/12/23
東京擬態~tokyoGitai
12
時代小説、サスペンス小説を余り手に取らない私は藤沢氏の作品も無論初めて。世間から爪弾きにされている四人の男。男と女、金と女、世間と自分……切っても切り離せない要素がぐっと詰まったサスペンス時代長篇。それぞれの事情を炙り出し事件への経緯とその様子、そしてその後の顛末が描かれ人間の憐れで哀しい物語りが紡ぎ出される。ところどころに描かれる江戸の描写が美しい。愚かさの陰に住む人間の優しさが愛しかった。一人の女の為に真っ直ぐに生きようとする男の姿勢は読む者を明るくする。2012/11/26
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