陸奥爆沈

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陸奥爆沈

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 新潮社(2013/06発売)
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  • ISBN:9784101117072

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内容説明

連合軍の反攻つのる昭和18年6月、戦艦「陸奥」は突然の大音響と共に瀬戸内海の海底に沈んだ。死者1121名という大惨事であった。謀略説、自然発火説等が入り乱れる爆沈の謎を探るうち、著者の前には、帝国海軍の栄光のかげにくろぐろと横たわる軍艦事故の系譜が浮びあがった。堅牢な軍艦の内部にうごめく人間たちのドラマを掘り起す、衝撃の書下ろし長編ドキュメンタリイ小説。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

159
知人の祖父が陸奥爆沈により殉職されており、以前から読んでみたかった作品。陸奥と三笠の爆沈は知っていましたが明治から大正にかけて、爆沈事故が多かったのに驚きました。原因はやはり軍紀の弛みによる。海戦ではなかなか沈まない新鋭艦でも、乗員一人の作為により簡単に沈んでしまう現実。これは現代にも通じるものであり、最新鋭の設備であれど使用する人間の手順の省略や気持ちの弛みで大事故に繋がる。私自身も戒めるべきと感じた。意外だったのは帝国海軍の軍紀の弛み。軍隊といえど様々な人間がいる。また吉村昭氏の取材力は圧巻である。2016/07/14

ケンイチミズバ

83
戦艦には弾薬が満載されており、乗員は爆発物と寝起きしているわけです。弾薬庫の管理は厳重であり、温度湿度調査、見張り番、施錠が規律正しく行われている筈でした。戦艦ともなれば何百の人間がおり、中にはおかしな者が一人や二人いてもおかしくないとの証言にあぜんとしました。陸奥以外に多くの爆沈事故が起こっており、決定的な証拠は海の藻屑でありながら原因は人間の脆さ弱さであるところにたどり着きます。人事や出世の悩み、借金、犯罪の発覚と軍法会議を恐れての自殺。大勢を巻き込み最先端兵器を破壊せしめた愚かな人間の姿に驚きます。2016/06/07

アッシュ姉

80
死者1121名という大惨事となった陸奥爆沈の真相を追ったドキュメンタリー。とくに関心があったわけではなく、吉村さんの作品ということで手にしたが、ぐいぐいと引き込まれていった。戦艦の技術力、当時の潜水調査や科学的検証能力の高さ、そして何より吉村さんの取材力に驚嘆した。浮き彫りにされていく背景と要因。著者目線で綴られているため、綿密な取材により明らかにされた事実の積み重ねだけでなく、真相究明への熱意や吉村さんの想いを近くに感じとることができた。『戦艦武蔵』も是非読んでみたい。2017/03/17

ともくん

75
昭和十八年六月八日、戦艦陸奥爆沈。 死者、千百二十一名。 筆者の努力により、次々に明らかになる謎。 果たして、ひとりの軍人による行為で、一隻の戦艦が瞬時に沈没したのだろうか。 今も残る謎。 証拠は、塵となって消えてしまった。2019/08/10

nnpusnsn1945

63
想像以上に重苦しい一冊であった。戦艦陸奥が柱島で爆沈したが、海軍の技術部が真相究明に乗り出す様は推理小説さながらである。結論としては迷宮入りであったが、某下士官の疑いが強い。素行も悪い上、場所的にも火薬庫に放火できる所にいたからだ。どちらにせよ、戦時中だから話などできない。遺族にも隠蔽しなければならなかった。それにしても、旧海軍に爆沈した軍艦(大抵は人間関係が原因)が多すぎる。ちなみに、かの三笠は、兵士が信号用のアルコールで晩酌しようとしてドカーン・・・となったそうだ。今度行った時に現場を見てみたい。2021/04/24

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