中公新書<br> 荘子 古代中国の実存主義

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中公新書
荘子 古代中国の実存主義

  • 著者名:福永光司【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 中央公論新社(2013/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121000361

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内容説明

人間はだれでも自由でありたいと願う。昔から人類の教師とよばれ、哲人賢者とよばれる人びとは、人間の自由について多くのすぐれた思惟と叡智を示し、その教説をさまざまな著作に書き残してきた。特に荘子は、観念的な思考方法ではなく、いかに囚われることのない自由な自己をもちうるかを明らかにした。 荘子を敬愛し、 「荘子」 によって人生の苦境を乗りこえてきた著者が「生を善し」とし、「死を善し」とする思想を深い感動をもって伝える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

零水亭

14
初めて読んだのはもう四半世紀以上前でしたが、最近読み直しました。今回感じたのは凄く読みやすく工夫しているという点です。初心者がケムに巻かれるような難解な言葉も少ないです。僕は『荘子』で大切なのは「世を捨てて放埒に生きる」のではなく、「物事の本質を見究め、置かれた環境で地に足をつけて生きる」ことだと思います。『荘子』の本文の中には前者のような誤解されやすい話もありますが(外篇・雑篇)、福永先生の本は後者の立場を強調しているように思います。 従軍経験のある福永先生は戦地に『荘子』他数冊を持って行ったそうです。2020/11/09

あっきー

12
⭐3 再読、学生の頃から気になっている思想家であり、いま仕事のストレスでまいっているのだが至人のように真に囚われることがない自由な自己の生活をもつ生き方をしたいと思っている、そのためには4章の「真実在の世界」と5章の「自由なる人間」を繰り返し読み学ぶ必要がある、不覚にも終盤にやっと道と書いてタオと読むべきことを思い出した2025/03/16

テツ

10
荘子の思想と実存主義を交えて。いつの時代であれどんな場所であれ人の集団によりぼんやりと構築された価値観や尺度は絶対的に尊ぶべきものではなくあくまで相対的なもの。そんなことは二千年前に既に説かれているのに、極々僅かな賢人(か狂人)以外、基本的に人はその自縄自縛からは逃れることはできない。もがくな。あがくな。地に足をつけろ。今この瞬間に確かに存在している自分自身をまずしっかりと感じろ。思想も幸福も本当はそこからしか生まれない。他者による人為からの解放。ただ在るだけの自分への気づき。そしてようやく全てが始まる。2023/01/31

ATS

10
★☆☆荘子(の思想)を読んでいるというより、荘子を例にした筆者の説教訓みたいな感じ。言葉も難解で可読性は低い。あと荘子の引用部分の区分がわかりにくい。寓話などの荘子の面白味をなくして学術的に分析したという感じかな。荘子を知りたい、読んでみたいと思う人が最初に読む本ではないかなという印象。すこし荘子を勉強してもうすこし応用が利いたものを読んでみたいかなと思った時くらいに取る本かな。2019/03/02

みのくま

9
ぼくに「荘子」はまだわからない。普通に読めば、荘子は厭世的で何もかも自然に任せるべきだという受動的な印象を受ける。しかし、それは荘子が生きた時代を理解しないと理解できないのだと思う。それは著者のあとがきからも垣間見える。著者は中国戦線に出征しており、激動の時代を生きている。その彼が荘子に共鳴するのは、おそらく荘子もまた激動の時代を生きたからであろう。激動の時代に静的な思想を説く事は、おそらくとても重要な事であろうと思う。ただ、必然的に反〇〇という論理になりやすい。荘子の場合は明らかに反儒教で立論している。2021/06/30

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