内容説明
今は定年退職を迎える年齢に達した戦争体験者の、かつての戦場のひとコマを淡々と描いた表題作。素朴な庶民の生活をユーモアを交えて描く「多甚古村」「丑寅爺さん」、戦場から帰還した元中尉の異常な言動を描いて戦時思想を痛烈に批判する「遙拝隊長」の四作を収録した滋味あふれる傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
6
井伏鱒二。。山椒魚と黒い雨しか読んだことは無かった。この本に出逢ってまだまだ読みたいと思った。 多甚古村は駐在さんの日記、様々な人物が小事件とともに描かれる。 遥拝隊長は戦争で狂った人物、戦争は情けないってね。丑寅じいさんも戦前の話。軍歌「戦友」だけが戦後。それにしても語彙、ボキャブラリーの豊富な作家さんだ。時々辞書のお世話になった。2019/04/20
さっと
0
「多甚古村」「遥拝隊長」「丑寅爺さん」「軍歌「戦友」」収録の短編集。初読は、「多甚古村」「軍歌「戦友」」。駐在の目を通して庶民の日常を描いた「多甚古村」が抜群におもしろかった。電話が隣の役場にしか通じてなかったり、自転車をきーこきーこやりながら現場に駆けつけたり、ほのぼのという言葉がぴったりとくる。「遥拝隊長」「丑寅爺さん」は、ほかの短編集にも収録されているぐらい、井伏さんの短編の中では代表的なのだと思うけど、個人的にも好きな一編なので、本書の組み合わせは非常に良かった。2013/12/11
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