内容説明
愛別離苦――たまさかの出会いに垣間みる人生の断片、愛の余情を描き、男と女の哀しみとわびしさを浮き上らせる珠玉集。結婚20年を迎えた妻の哀愁にみちたひとり旅を描く表題作のほか「波の音」「良夜」「トランプ占い」「別れの旅」「冬の外套」「一年契約」「春の入り江」「城あと」の八編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
39
表題作『青葉の旅』のみですが、以下に。結婚以来初めての旅に出た高梨とし子。大阪で友達と会い、彼女の夫と自分の夫を比べる。京都のホテルで長身の青年に声を掛けられ、福岡までの飛行機を共にするが・・・・非日常の中で、とし子は新鮮さと共に戸惑いを感じる。夫からの電話で、もう自宅に帰ることにする。一人の女性だけが気を揉み、自分と格闘する様が垣間見られる。何事も無くいつもの日常に戻る。道を外さない女性の生き方が描かれている。2025/06/25
