内容説明
町田康、初の短歌集、全首書き下ろし。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
昭和37年、大阪府堺市生。作家。高校卒業後、歌手を経て平成8年小説に転じ現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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道楽モン
21
木村綾子さんが奮闘しているCOTOGOTOBOOKSの記念すべき出版第一弾は、352首の短歌を収めた町田康の初歌集。すわ、異種格闘技ならぬ短歌界への殴り込みかと思ったけれど、徹頭徹尾の町田節で短歌に革命を起こすというより形式を借りた自己表現。揺るがない。語彙の選択と組み合わせの妙による言葉のリズムと異化に徹し、本家の歌人たちの短歌にある物語もロマンも哀切などを微塵も感じさせない。ロックや小説やエッセイもそうだが、短歌ですら町田康なのだ。権威や既成概念や様式に中指立ててNo!を宣言する、まさにパンクなのだ。2024/03/22
n_kurita
2
町田康初の詩集との事だが、『土間の四十八滝』も詩集ではなかったか。句集?歌集?短歌?何が初なのかハッキリしてくれ。と思いながら購入。あのね、デザインからしてめちゃくちゃにかっこE。読む前から満点。そしてタイトル。なぜくるぶし。くるぶしといえば『ホサナ』でも日本くるぶしなんてものが出てくる。なんだかわからないが、くるぶしという響きが町田康っぽいとも言える。何故だろう。分からない。ただ好きだと思う。面白いと感じる。とてもワクワクする。散髪のやつ、グミの変態のやつ好き。2024/04/15
ネルシュン
2
ひとつひとつの歌が破壊力抜群で、本当に面白い歌集でした。2024/04/01
ゆきだるま
2
言葉に言い表せない感覚を呼び起こす言葉たち。脳のそこここに強い刺激を与えるなにか。 人間よビットローファー履かば履け猫は素足で夜に踏み出す どかんかれ汝こそどけや壺割るどすべてのことが枉惑になる春 俺たちを助けてくれよビジカジで樹海訪う都人どち2024/03/31
トマス
2
『人間小唄』の型破りな作中歌が衝撃的だったので楽しみにしていた町田康初の歌集。定型きっちりで和歌のリズムを活かしつつ、奇抜な選語センスは期待を裏切らない。持たざる者の寂しさやパッションを炸裂させていて、振り回されながらも心に響く歌集だった。2024/03/23