感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiro
41
ホームケアワーカーと末期のエイズ患者との心の交流を描いた物語。不治の病を感情操作のために使うことはなく、簡潔で落ち着いた文章が、淡々とした日々を積み重ねていく。その静かな語り口が、かえって深く心に残った。読み終えたあとも静かな余韻が長く残り、自然と再読したい気持ちになる。内容をよく知らないまま図書館で手に取ったが、想像以上に心を打たれる一冊だった。2025/12/27
Nishiumi
20
エイズ患者とホームケアワーカーの交流を描いた短編集。「私」が担当する患者との短いエピソードが、章をまたいでゆるやかに繋がってゆく。彼らは病気に罹っているが、病人である前に一人の人間だ。人間が、もう一人の人間を気にかけるということ。痛みや苦しみ、不安の肩代わりはできないが、できる限りの想像を巡らせて、そばに寄り添うこと。たとえあなたがいなくなったとしても、あなたの存在を私が確かに記憶しておくということ。他者に対する想像力が貧しくなりつつある現代の、希望になりうる本。胸を打たれた。2025/10/05
夏みかん
7
もんのすごく良い本だった。柴田さんが仰ってる通り、要約だけ読んだら手にしない本だったけど、全く予想外の感動。岸本さん訳の掃除婦、、にも似た読後感。とにかく、翻訳者さんのお陰で思いがけない本に出会えるのは本当に幸せ。読み終わった後に昔の単行本版を旦那が持ってて、既に旦那は読んだことあったのが驚きだった。でも柴田さんの後書を2種類読めたので結果オーライです。旦那のオススメを忘れて積読にしてたことは反省です。2025/06/29
カナ
5
言葉で表せないくらい、自分の中で大切な本になった。誰かが誰かを大切に思うこと、大切にすること、その人の人生、その人の存在を尊重し抱きしめるようなこと2025/08/23
ゆ
5
様々なエイズ患者との日々が、ホームケアワーカーの私視点で描かれる連作短編集。30年前の作品。 病状が悪化し体が動かなくなり死が迫ってくる日々は、患者自身も、残される人たち辛く苦しい。 仕事だとはいえ、もちろん私も辛い。 そんな中で患者や家族、友人たちと向き合い、会話をし、身の回りの世話をする。その心と触れる肌の温度は、たとえ一時でも患者たちにとって大きな救いだっただろう。 第三者の立場だからこそ、できることもたくさんあるのだと思う。 死という重く辛いものを扱いながら、あたたかい温度を感じられる作品だった。2025/08/09
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