内容説明
twililight web magazineでの2023年4月から9月の連載に、書き下ろし2本をくわえた、芥川賞作家・小山田浩子による第2エッセイ集。
目次
春
とん蝶
ぴーすくる
歩き話し
おはぎ
休日のパーク
川を上る
マーマレード
東京の印象
喪服
お金
ベランダ
ルバーブ
翻訳
変身ドーン
挨拶
当たり前
おしゃべりな整体師
みょうが
誤記憶
わがまま
作文
犬と猫
秋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
20
小山田浩子氏のエッセイ『パイプの中のかえる』の続編。著者の在住県である広島に関する内容から身近なことまで、日常的な話題が中心。「かき氷専門店で複雑なかき氷を食べた」の様な独特な観点の言い回しが、らしさ、と思え味わいながら読んでしまう。随所に出てくる方言も、個性的に思えて微笑ましいのです。昨年の春から秋までの連載分なので、描かれている話題がそれほど時間も経過していない点も新鮮に思えた。2024/01/24
しきぶ
6
前作「パイプの中のかえる」と一緒に買ったのにこちらを読むまでに時間が空いてしまった。短いエッセイなのでゆるゆると読む。日常の話や広島ならではの話など、出てくる地名や内容が身近すぎて面白みや共感が深い。自分なら全く引っかからない些細な出来事や思いを拾い上げてその引っかかりを言語化してあることに感心しきり。半径数mの温度や匂いや人間関係や諸々の空気感を言語化する凄さが著者の持ち味だと思っているのだが、そんな作家さんが同じ県に住んでいて自分の行動範囲にいると思うと、親近感が湧きすぎてむしろその凄みを増している。2024/04/17
ごん
3
小山田さんの日常や思考がありのまま正直に書かれている感じでファンとしては嬉しい限りでした。真剣に物事を考えて誠実に日々を生きている様子で、こんな真面目な方からなぜあんな不気味というかゾワゾワする小説が生まれるのか…とても興味深いです。「当たり前」を読み同じ日本なのに広島から遠く離れた土地に生まれ育った自分は、原爆・戦争に対する意識や知見が格段に低いようで恥ずかしいし悲しくなってしまいました。被爆樹木も知らなかったし…。2025/05/24
カエル子
3
『パイプの中のかえる』の続編。タイトル買いの続き。カエルは出てこない笑。広島在住の作家さん。感性豊かな作家さんが、日常のなにげない一コマを豊かな言葉で紡いでくれている一冊です。寝る前にひとつふたつ読んで、クスっと笑って、心を落ち着けて眠るようにしていました。毎日を大切に生きよう!2024/11/29