内容説明
つくって、食べて、シリアが近づく。おそらく日本初となる、シリア家庭料理のレシピ本。著者が母親に学んだ料理を中心に、85のレシピと9つのエッセイを収録。戦時下の瓦礫の風景ばかりを目にするシリアの、本来の豊かな姿がここにある。そこで暮らす人、暮らせなくなった人に思いを馳せるきっかけとなる食の新体験。シリアの日常風景の写真多数。オールカラー、全てのレシピに写真つき。
目次
朝食―週末の朝食は祖母の庭で
メッゼ ディップなど、分け合うもの―毎年恒例、母の「女性限定の夜会」
ストリートフード―男子の夜遊び
穀類や野菜など―冬の温かなごちそう
牛と羊の料理―真夏のバーベキュー
鶏と魚の料理―海に面したテーブル
デザートと飲みもの―ラマダンの食卓
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
43
表紙に一目ぼれして取り寄せました。読み始めようとした日にトルコ・シリア大地震のニュースが…急いで応援しているシリアの動物保護施設・Ernestos Sanctuaryをチェックしました。スタッフさんも猫も無事でしたが、周囲の状況は深刻なようです。この長い歴史が刻まれた国の苦境にはただただ胸が痛みますが、レシピに刻まれた歴史には胸が躍ります。そして…味が!味がわからない!想像がつかない味、見たことのない果実。夫婦でうっとり眺めました。まずはシリア料理屋さんを探さねば…!2023/02/07
きゅー
7
シリア料理のレシピ集。著者の男性はシェフではない。幼い頃に美味しかった母のレシピを受け継いで、まとめたものがこの一冊になっているという。その母の味も祖母から教わったものであり、先祖代々引き継いできた貴重な財産となっている。料理にはシリアにおける彼の家族の暮らしの本質がある。そのため今では戦禍によって世界に散り散りになってしまった彼の家族の話とともに、慈しむように料理のことが綴られている。家庭料理なので複雑な調理はされないが、その素朴さにひどくそそられる。2024/02/02
ユウティ
5
とても美しい本だった。そして厚くてデッカかった。味も香りも想像できないのにものすごく美味しそう。食べてみたいなあ。2023/09/18
noko
4
シリア内戦は2011年からなので、12年も続いている。日本に伝わってくるシリアの情報は少ない。戦いや政治ではないシリアの文化を前から知りたかった。シリア料理のレシピ本は他に無いと思う。著者はホムス生まれだが、サウジに引っ越した。料理は女が作るが、ホンモスや豆は男の仕事。ひよこ豆を使った料理が多い。変わっていると思ったのは、ナスのジャム。水酸化カルシウムで漬けておく。皮をむき、すすぐ。よく煮てシロップとシナモンスティックでまた煮込む。ホンモスはシリア料理の王。ファラフェルは家で作らないで屋台料理なんだって。2023/04/05
etsu
0
軽く目を通した。美しい写真。愛でる本。 エッセイのような文が良かった。料理好きなお母さんの味を引き継いでいるのがよくわかる。これらを食べてみたい。2023/12/28
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- 和書
- 人ノ命ヲ奪ウトイウコトハ