内容説明
音声によって、人を癒し、励まし、支え、寄り添う。ラジオという親密なメディアについて、ケアの概念のもとに考察し、離島、刑務所、病院、被災地における実践など、多様な事例を紹介する。
目次
第1部 ラジオによるケア(なぜラジオは親密なメディアか;ラジオによるケア・コミュニケーションとは)
第2部 ケアするラジオ(「知ること」から寄り添う島ラジオ;立ち直りを支える刑務所ラジオ;ナラティヴ空間としてのホスピタルラジオ;ラジオのつながりが拓く多文化共生;子どものラジオ番組制作と地域のつなぎ直し)
第3部 音声メディアとケア(ケアというメディア・コミュニケーション)
著者等紹介
金山智子[カナヤマトモコ]
現在/情報科学芸術大学院大学教授。最終学歴/オハイオ大学大学院コミュニケーション研究科博士後期課程修了(博士「マスコミュニケーション学」)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鬼山とんぼ
4
ラジオは穏やかにリスナーの心に迫る。その力により社会的弱者のサポートを進める手法の重要性と多彩さを紹介する本。テレビがアラ探しに向かいやすいのと対照的にラジオの音声で訴えるアプローチはまず出演者の言葉の受容から始まるので、批判が先に来ない。むしろリスナー側から話し手の側に心理的接近を強めていき、それが自分自身を癒し勝手に立ち直るきっかけを作ってくれるのだと思う。個人的にはケアという言葉は、自分が何かに注目したり積極的に相手に支援していく意味が強いと思うので、題名は「癒しのラジオ」の方が適切だったかな。2024/10/01