内容説明
SNSとグルメサイト、クラウドファンディングとポイントカードに骨抜きにされた消費者万能の暗黒時代に模索する「いい店」の条件。自身の迷走を振り返りつつ、犬の目線で語る、経済、仕事、メディアにコミュニティ。金言だらけの与太話再び。
目次
第1考 職業意識の変化
第2考 資金の調達について
第3考 ローカルであることの必然性
第4考 いいヤツでいこう
第5考 共有財産の私物化と、権威主義の横行
第6考 作り手ではなく飲み手、もらい手ではなく出した側
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
5
喫茶店経営から社会全般の動向へと視線を伸ばす、いや自身と自身を取り巻く環境を、近遠問わず俎上に乗せる。それが著者にとって自然体なのだろう。2023/08/18
Tom
5
いちいち頷きながら読んだ。語り口は平易ながら、内容は結構難しいのでは、と思った。短くて薄い本なのに、読み応えがすごい。「契約違反」という概念が面白い。書面の契約のことではなく、ワケのわからん肩書やSNSのバズりなんかで権威付けをし、「これが本物なんだよ」という価値を偽造する行為のこと。客はもちろん、やってる店もそれがどういうことなのかわかってない場合が多そうだ。世の中、契約違反が横行している。とにかく権威主義はアカン。主体的にならねば。心構えだけじゃなく、資金繰りとかリアルに役立ちそうなことも書いてある。2023/02/25
nobu23
4
前作の珈琲の建設に続く、喫茶店などに関するエッセイ。著者の歴史的な背景などもかたられるなど、前作よりボリュームもあり読み応えがある。 辛辣な内容も多いが、相変わらずの独自の語り口が、嫌味を感じさせずに読める。2023/06/25
natsumi
2
他職種の人の話が大好きなんだけど、ローカルですべきこととか、田舎にいるからわかることも多かった。作り手の事情ではなく商品の価値にお金を払うんじゃないのか的な話に、この人も安易な「物語」に抵抗したいという姿勢の人だとわかって頭が冴えました。消費は自己表現。2024/01/16
千本通り
2
著者はコーヒー業界のカリスマ的存在らしいが、職人に徹して語るべきで経営という別のセンスがいる愚痴を聞かされてもすっきりしない。著者と付き合うのは結構疲れそう。2023/10/15