感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃれら
23
核兵器がいかに木亥火暴を起こすか、どのような技術を使っているかを平易な日本語と手加減なしにしか思えない数式で説明している。ウクライナの出来事の先に自分も核爆弾で殺される未来が想像できて、その前に知れることは知ってやろうと手にとったわけだが、要求には応えてくれた気がする。新しい知見・技術により工夫して目的を達しようとする話には、恐ろしいことにワクワクしてしまった。プロジェクトXを見ている気分である。ただ、実際に爆発するメカニズムのところでは「失敗すればいいのに」と思ったり。未来永劫使われないことを祈る。2022/04/11
モリータ
10
◆2019年刊。著者は京大理学研究科修了、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所准教授。◆図書館で。2022/3/14。◆本書のテーマは「核兵器はどのようにして爆発するのか」だが、これは今の興味ではないので、最終部分の7.5節「核兵器が与える影響」のみざっと(10頁前後)。◆核兵器の出力の「ものさし」を銘記する必要。広島型原爆が15kT前後、米軍配備のトライデント2にはW88(475kT)を最大8発搭載可能。トライデント搭載の低出力核弾頭W76-2はプライマリ(起爆用原爆)のみを利用し5-7kT。
ま
10
核兵器を、純粋に物理学的視点から論じたもの。いやしかしすげー本だった。一見難しいようで、読んでみるとやっぱり難しいが、所々お茶目な表現(「木亥火暴」「ぬこサン」など)もあり、説明も丁寧。学問が最先端を行くと必ず政治的要素が絡んできちゃうんだなと実感した。広島長崎への投下後も、核分裂から核融合へと研究は進むものの使用はされず、今なお地球が存在してることが奇跡のように感じた。2020/12/18
HaruNuevo
6
人類が生み出した最強最悪の兵器、核兵器について、放射線についての基本知識から、核分裂兵器の原理、核融合兵器の原理まで、ギリ文系にも頑張ればある程度の理解が出来るところまで噛み砕きつつ、かといって定性的だったり情緒的だったりといった内容に流れることなく、非常に歯応えのある、さらに読み応えのある、そして改めて戦争について考えさせてくれる、まさに力作。多田先生の本としては、『放射線について考えよう』と本書は、これからも何度も読むことになりそうだ。2020/10/11
takao
2
ふむ2023/05/14