出版社内容情報
1951年に『オール讀物』で連載された「安吾人生案内」を一冊にまとめ復刊。
迷える者たちの人生に、安吾が真正面…買った娼婦が男だと分かり、逆上して殺した少年。
人形を我が子のように愛し、一緒に生活する婦人。
夫が記憶喪失になり、自らの存在も忘れられた妻。etc.
迷える者たちの人生に、安吾はどう対峙するのか――
※目次
判官巷を往く
大岡越前守
精神病診断書
人形の家
衆生開眼
暗い哉 東洋よ
宮様は一級紳士
安吾愛妻物語
判官巷を往く
大岡越前守
精神病診断書
人形の家
衆生開眼
暗い哉 東洋よ
宮様は一級紳士
安吾愛妻物語
内容説明
買った娼婦が男だと分かり、逆上して殺した少年。人形を我が子のように愛し、一緒に生活する婦人。夫が記憶喪失になり、自らの存在も忘れられた妻。迷える者たちの人生に、安吾はどう対峙するのか―。
目次
判官巷を往く
大岡越前守
精神病診断書
人形の家
衆生開眼
暗い哉東洋よ
宮様は一級紳士
安吾愛妻物語
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菊地姫奈そっくりおじさん・寺
52
他誌の手記や新聞記事を題材にした坂口安吾の『オール讀物』連載の世相巷談。安吾の本を読んでいるといつも思うのが、「この人はなんと優しい人だろう!」という事。未読の方は本書6章に相当する『暗い哉 東洋よ』だけでも青空文庫で読んでみて欲しい。無神経な男を批判しながら、その陰でひっそりと死んでいった女性に花を手向けている。安吾の文章には大抵山ほど名言がちりばめられているのであえて引用はしないが、表紙に引用されている「ああ、暗い哉。東洋よ。暗夜、いずこへ行くか。オレは同行したくないよ。」は胸に迫る。おすすめ。2019/07/07
テツ
16
ありとあらゆる人間に対して、それぞれが歩む生に対して、安吾の視線は純粋に優しい。今この瞬間に悩み苦しみもがいて生きる存在を丸ごと肯定してくれる姿勢と『堕落論』にもあるように、どれだけ堕ちても人は堕ち切ることはできないという、人間への圧倒的な信頼感。おそらく現代に蘇ったとしても、絶望したくなったり嘲笑したくなったりする今の時代らしい人のアヤマチをそっくりそのまま人の根源的な在り方として受け止めようとするんだろうという安心感がある。生きよう。とりあえず生きて積み重ね続けよう。最低でも安吾はそれを認めてくれる。2021/07/19
ophiuchi
14
坂口安吾の文庫本が何冊か家にあったので(姉が好きだったようだ)、小説を読み始めた中学生の頃に読んでいたが、ここまで過激だという印象はなかった。いろいろな事件について述べられた文章に安吾がツッコんでいる。今では使えない表現をそのままにし(キ〇ガイとか)、解説を付けずに出版したのは快挙かもしれない(怪挙のほうか?)。2019/05/09
ナッキャン
0
1951年戦後昭和の人生相談を平成に蘇えさせるという、出版社社長に大天晴!や案内人(相談役?)の安吾の口調も江戸ッ子口調で随所に笑えるし、そーなんよと同感、今度戦争になったらいの一番にお儲けするぞと武者震する好戦的気質は令和になっても居るし、不倫問題で日本独特の亭主関白の真意、稼がんなあかんやん!とホンマやで。「堕落論・白痴」等大先生やと喰わず嫌いしてたけど、今度読んでみたいかなぁって感じ。一番ジーンときた[精読せずに一部を前後から切離し悪口の批判は不誠実]とは良く言った!SNSの今文化人?こそ慎むべき!2023/12/27
K太郎
0
著者の本は初でした。 時事や人生相談に回答する様な内容です。 1950年頃の連載だそうですが、日本人や社会は当時から対して変わらないのだなぁ〜という印象。 言葉遣い等でやや読みにくいと感じました。2023/06/02