目次
第一部 私の考える“アナキズム”(アナキズムの“イメージ”と私の考える“アナキズム”;大杉栄と「道徳」;「農本主義的アナキズム」の再検証)
第二部 農本的アナキズムの思想と運動(石川三四郎;加藤一夫;江渡狄嶺;クロポトキンの影響;農村青年社)
第三部 書評(アナキズムとエコロジーとの接点;ジョン・クランプ著『八太舟三と日本のアナキズム』;保阪正康『農村青年社事件』)
著者等紹介
三原容子[ミハラヨウコ]
1955年名古屋市生まれ。京都大学教育学部卒業、京大大学院教育学研究科博士後期課程修了。大学・短大の非常勤講師、人権問題の研究所・研究センターの研究員等、関西での生活を経て、2001年の東北公益文科大学開学と同時に酒田に移り住む。2014年に早期退職し「庄内地域史研究所」の表札を掲げる。近年は明治初期のワッパ騒動、満洲農業移民送出など、近現代庄内地域史の検証や顕彰に関わってきた。地元の木と職人で建てた家に住み、47歳で始めたビオラを趣味とし、巨大風力発電建設計画を問い直す活動にも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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owlsoul
10
アナキズム思想の礎にはクロポトキンの『相互扶助論』がある。クロポトキンはダーウィンの進化論に異を唱え、生存競争ではなく相互扶助こそが生命本来の姿であると説いた。この論理を根底に持つアナキズムは、故に人間の本性に対して絶対的信頼を置いている。人間が本来の姿を取り戻せば相互扶助社会が自然と立ち上がる。理想の社会を建設するには、自然を歪め、自由を阻害するものと戦わねばならない。それがアナキズムの基本概念だ。そしてアナキズム運動の多くが、農村社会にその理想を見出そうとする。つまりアナキズムには自然崇拝の側面がある2025/04/29
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