哲学するレストラトゥール - 自給自足の有機農業で実践する「贈与への責務と返礼」

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哲学するレストラトゥール - 自給自足の有機農業で実践する「贈与への責務と返礼」

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784990880125
  • NDC分類 610.4
  • Cコード C0030

出版社内容情報

かつての神戸の名ソムリエが、淡路島に移住して自給自足の有機農業を通して導く、縮小していく日本を生きるラディカルな手づくりの…神戸の名ソムリエが淡路島に移住して実践する、有機農業による自給自足。

オルタナティヴな営みの実践を通して導く、ラディカルな手づくりの哲学と思想のカタチ。



 かつての神戸を代表する伝説的なフランス料理の名門として一時代を画した[レストラン・ジャン・ムーラン]のソムリエを経て、闊達でフレンドリーな店として人気を博したワインバー「ジャック・メイヨール」の店主であった著者の橘 真さんは、その後、フランス・イタリアのワインや野菜の生産地を視察研修の後、ワインの輸入卸業務店を経て、2009年に淡路島に移住。自らの思考と哲学を実践すべく、有機野菜の栽培、平飼いの養鶏による飼料の自給、罠と銃による狩猟などを行いつつ、淡路島内外のレストランに野菜などの直接販売を手掛けており、将来的には葡萄の自家栽培による有機ワインの醸造を目指しています。

 都市的生活から一転、地方の中山間地に移り住み、「有機農業による自給自足」という、等価交換的価値観が蔓延する現代日本におけるオルタナティヴを選択し、自らの農業を「自然からの贈与に対する責務と返礼」と考えるその暮らしのカタチには、これから縮小していくのが既定路線であるこの国で生きるための知恵が隠されているように思います。

 農業に興味を持ち地方へと移住する若者が増えつつある今、現代の日本社会の歪み、農業や地方が抱える問題と向き合いながら、農業や私たちの食、共同体、自我と隣人、人間存在や生きていくことの本質を、レヴィ=ストロースや網野善彦、オルテガなどの古今東西の知の巨人の思想にも言及しつつ、掘り下げて述懐します。

 無償の贈与に対する責務の返礼を負ったレストラトゥール(レストランの職人)としての矜持を胸に、1人の農業家が自らの実践を通して導く、ラディカルな手づくりの哲学と思想がここにあります。





内田樹先生(思想家・武道家・[凱風館]館長)からのご推薦文より



「僕が「行きつけのバー」というようなものにお店の人とおしゃべりをするためだけに足繁く通ったのは、

 後にも先にも橘さんのお店だけである。それくらいに橘さんの話は面白かった」

「橘さんはいったいどんな文章を書いてきたのだろうとわくわくして頁をめくった。

 そして、何頁か読んで、うれしくなってきた。バーのカウンター越しにおしゃべりしていたときの口調と同じなのである」

「その文体は、その語り口と同じように、自由である。そのときに頭に浮かんだアイディアのしっぽをどこまでも追いかける。

 捕虫網を持った少年が真っ黒な足を激しく動かしながら、田んぼの中を突っ切り、小川を飛び越え、森の中を走り回っているのと同じである。

 ここに記されているのは、その「足跡」である」

淡路島で実践する自給自足の有機農業のカタチ

 レストラトゥールの本質は「無条件で無防備な贈与」/自然の「永遠の循環」の中に農も食も暮らしもある/

「大地との有機的な繋がり」を回復する試み/「自然からの恵み」を交換し贈与することで返礼する/

 等身大の自然養鶏、自給作目の環の中の養鶏/「境界の往来」を担う「現代の公界者」として/

 失われていく、我々に共有されていた「大文字の物語」



「レストラトゥール」って何だ?

まったく非文脈的に、個人的に召喚された「あの日」

農業に関心のある若い世代の人たちが増えているのはなぜか?

都市生活者の、地方への移住

有機野菜をめぐる、「陳列棚からはみ出している」ものについて

境界線とこちら側(1)農業で「自給自足」する  

境界線とこちら側(2)鶏を飼う 

境界線とこちら側(3)変わりゆく、レストランのカタチ

現代の狩猟をめぐる試論(1)

現代の狩猟をめぐる試論(2)「料理人」は「世界」を秩序づける

現代の狩猟をめぐる試論(3)「自然の贈与」に対する「責務」

レストラトゥールとは、生と死の結界を出入りするシャーマンである。

淡路の玉葱とおじいちゃんの「時間」

暮らしの中で失われていく「匂いに対する感受性」

墓と死者

これからの未来を担う若者たちへ贈られる「魔法のシチュー」



内田樹(思想家・武道家)

「橘さんのこと~捕虫網を持った少年が走り回る足跡のように」

橘 真[タチバナ マコト]
1965年、神戸市生まれ。伝説的な名店としてかつて神戸で一時代を画したフランス料理店[レストラン・ジャン・ムーラン]のソムリエを経て、闊達でフレンドリーな店として著名人のファンも多く人気を博した「ジャック・メイヨール」の店主に。1999年にシニアソムリエ認定。仏伊のワインや野菜の生産地を視察研修の後、ワイン輸入卸業務店を経て、2009年に淡路島に移住。「甲南醸造所 倭文土井農園」の名の元、有機野菜の栽培、平飼いの養鶏による飼料の自給、野草の採取、養蜂や椎茸の栽培、罠と銃による狩猟などにより、自給自足の農業を実践。淡路島内外のレストランに野菜、卵、蜂蜜などの直接販売を手掛けている。また、将来的には葡萄の自家栽培による有機ワインの醸造を目指している。自らの思考の趣くままに古今東西の書物を読み漁る読書家であり、文筆家でもある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

45
若い世代は産業としての農業に興味を持っているのではなく、おそらく農業の持っている本来の「生産する喜び」に気付いているのだ。農業において「生産」とは「自然からの贈与」を意味する。そのような「自然からの贈与」に対して、農家は「無償の労働」で返礼する。つまり「農業」とは、贈与され贈与するというかたちの「連続性」、あるいは「循環性」なのだ。農業とは成長、拡大をめざす一般の産業ではなく、成長はせずとも安定して永続し、自然界と調和した循環の中にその本質があり、その循環の中に食も人々の暮らしもある。こういうことかな。2017/06/15

shinoyan

1
「葡萄が植わってから」なんて思わずに行けばよかった、すぐそこなのに2017/10/27

hideko

0
文章が理解しきれないこと多々ありました。 理想を追う姿勢が格好いい。2017/09/02

Mitsuhito Shiraha

0
かつて神戸にあったバー「ジャックメイヨール」も「リセット」もよく行っていた。そこのマスターだった人が淡路島で農業を、と。知らなかった。 日々の営みを綴っているのかと手に取ったが大間違い。 これは日々見つけた真理のメモ書き。作者が自身に問いかけて答えている禅問答。ちょっと珍しい読みもの。2022/04/09

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