感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
35
山の家の主の松浦夫妻の来し方と2017年時までがインタビューから書き記されていました。寿幸さんや小夜子さんの博識なことに驚く。ヘッセからリルケへと詩の好みがかわっていったり、奥様を残して1年近くオーストリアへ行かれたりと行動力に脱帽。山小屋の居候や常連客からの人脈の拡がりも驚嘆レベル。常連客の寺の住職の「小屋の何処にいても、そこが自分の居場所とだと感じられる。すべてよし。その場にいる自分を含めすべての肯定を促す空気がいつもあった」にクヌルプの魅力が凝縮されている。このお寺、我が家の近く。訪れたい。2023/08/12
roatsu
22
霧ヶ峰の山小屋クヌルプ・ヒュッテが刻み、切り盛りする松浦ご夫妻が過ごしてきた星霜が集いし人々の横顔と共に綴られる。お二人の人生の経過と共に日本が通ってきた時代も垣間見られる。松浦翁と小夜子さんの人生は一編の文学の様で清々しくまた瑞々しい。編者も長きに亘りお世話になっているそうで愛する山小屋とご夫妻の歴史と魅力を余すところなく伝えんとする思いが記述に溢れ、一度訪れてみたいと読んで強く感じた。文章にはやや青臭い体制批判を感じる箇所もあるが、山中の惑星の様な山小屋と無二の文学的雰囲気を十分魅力的に伝えている。2018/04/14
nemunemuanyo
6
ヘッセとともにある山の家クヌルプ ヘッセのそれは読んだことが無いので調べてみると文庫本のそこには とてもよく似ている赤い屋根のおうちが描かれていた 印象に残った言葉「称賛と批判は同じ眼差しのなかにある」 常々 共感を得る事ばかりを良きとする風潮はどうかと思っていたので納得する 本に出てきたチェーホフの中二階のある家も読みたい2020/09/16
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