内容説明
戦国武将は大事な家紋に雑草をあしらった。華麗な花や勇壮な動物を描いた西洋とは明らかに違っている。日本人にとって雑草とは何か。雑草生態学の権威が、斬新な視点から提示する新・日本人論。
目次
第1章 日本人は植物にさえ仏性を見る(東西でこれほど違う「雑草」観;世界文明とイネ科植物;神宿る自然 崇敬と脅威の源泉 ほか)
第2章 雑草が育てた日本人気質(水田は砂漠化しない;日本に植物の分類学はない;雑草がなくては困る ほか)
第3章 雑草文化論(雑草は「弱さの強さ」をもつ;雑草は逆境に強い;雑草の「戦わない戦略」 ほか)
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所などを経て、静岡大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いちろー
4
今一度、日本のおかれている立場、問題点を見直す必要がある。作者はこの一冊を通して読者に問う。「日本にとって残すべき価値観は?変わるべきところは?」この豊かな 国だからこそ見えないところがあったり見えるところがある。日本における自然はともに歩んでいく相手。西洋においては克服すべき相手。あらゆる自然災害も同様。コロナにおいても同様であり、克服すべきか、ともに歩む相手か。自然災害大国日本だからこその向き合い方があるのでは。2020/06/02
Kyo
1
○とー(線) あるものとないもの 循環と完結 西高東低の思い込みは植え付けられたもの。 ○と見えないものをあるカタチで尊ぶこと。 新しいものが好きなのは、変化する環境に身を置いていたから。 とてもあたたかい。 「雑」という字の意義を感じられて嬉しくなる。 日本に生まれて日本人として生きていく心の拠り所を確認できる。2021/12/25
yuria_knd
1
雑草生態学者の稲垣栄洋さんの雑草からみた日本人の民族性の話。思ったよりも全然雑草の話していなくて、雑草などをあまり知らない人でも読みやすい。面白かったのは日本人の自然と人との関係の考え方を宗教観で欧米と比較していたこと。最後の日本人観とかはちょっと論の展開があんまり論理的じゃない部分もあったけど、かなり分かりやすくておもろしく納得しながら読めた。他の本も読んでみたくなる。2021/03/13
takao
0
ふむ2017/11/28
渓流
0
雑草から学びすぎる教訓を引き出したところも無きにしも非ず。だが、雑草の生き方戦略から抽出された面白い日本文化論ではある。2017/11/11