感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんがりまめ
6
お腹の中の娘に障害がみつかり、医療の支えが必要と知った時に読んだ本の一冊。現実的な内容。生まれても長くは生きられない子とわかっていたが、NICUのスタッフは生まれる前から命を「全肯定」して支えてくれたことを思い出す。娘は生まれる前に亡くなったのでそれ以上のことは何とも言えないが、いろいろ読んだ中でも、本音で書かれているよい本だと思ったので、本棚に残してある。2011/04/01
でんか
5
これもまた、大変考えさせられる良い本。NICUで何が起こっているかについて問題提起する本。副題の「医療にどこまで求めますか」が重い。NICUに入る子どもさんは、救命目的で入るわけだが、では、その後一体どうなるのか?助かった―よかった、で終わりではない。その後がある。そして、それだけでなくそこで働くスタッフにもライトが当ててある。もちろん、NICUだけの問題でなく、社会全体の問題であるが、医療と行政の溝は深く、そこに患者さんの家族の存在が考えられているのかどうかわからなくなる。2017/11/09
みっし
5
新生児医療で起こっている現実から、鋭く現代社会の問題の本質に触れている。患者と医療者の間の同意形成のプロセスについては、日々の業務の中でも考えさせられることが多い。殊に、新生児の意志は、そのまま親の意志、時には医療者の意志がそれとなってしまう。命とは何か、僕らが触れている医療とは何なのか、とても考えさせられる。それは、医療者としてもそうだし、社会の中でのいち人間としてもそうだ。1人でも多くの人に読んでほしい。知ってほしい。一緒に考えていきたい。一緒に社会を創っていきたい。2016/01/12
PEDpapa
5
新生児医療の厳しく生々しい現実が、当事者へのインタビュー形式で語られていて、迫力を感じる。極めて重い内容だが、今の日本の医療問題を真剣に考えるために、是非一読して皆で考える内容だと思う。今はTVドラマやノンフィクション番組など、医療関係はかなりリアルな内容で描写されているが、現実では比較にならない位重いドラマがある事を改めて実感させられる内容だ。2011/11/27
nuna
5
PDFで。あまりに重い話。が、だからといって見ないことにはできない。当事者になる可能性があった/今後可能性がある人間として知らないままではいられない。親、医者、様々な人々の生の声が載せられている。このインタビュー形式が臨場感溢れていて読んでいて辛い。当事者それぞれが自分にとっての良い方法が見つかるような支援が社会として必要。2010/07/13