内容説明
幼稚園の先生“挫折”から猟師へ!!虫を料理し、イノシシを獲り、パンを焼く。蝉・イノシシ・蝶・ヌートリア・蛙・イナゴ・蛇・クモ・幼虫いろいろ、そして猿…。
目次
はじまりは挫折から
第1章 私なりの“街の狩猟”
第2章 芸北と自然と“銃猟”猟師との出会い
第3章 移住と農業と銃猟免許取得
第4章 初めての猟期と忘れられない味
第5章 ブラウン・ゲイブルズの日常
第6章 “人”としての悩み
第7章 Rターン
おわりに―ひと皿に乗せるたくさんのエピソード
著者等紹介
束元理恵[ツカモトリエ]
1994年広島県生まれ熊野町育ち。幼稚園教諭、フリーターを経て、22歳の春、猟師にあこがれて尾道市から北広島町に移り住む。2020年4月から2021年12月まで、中国新聞コラム「あこがれ山暮らし」全80回の連載にて、どっぷり山里に浸かった日々を毎週1回つづる。「昆虫食ガール」「狩猟女子」と呼ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シャコタンブルー
64
「何にもしてないの、いいね!何でもできるじゃない!」尾道で初対面の店主の言葉が引きこもり状態だった作者の心に響く場面は感動的だ。里山へ移住してからは見違えるように生き生きとして輝いている。蝉、蜘蛛、昆虫を食べることが日常になる。でもカエルの卵まで食べるとは・・凄すぎ(笑)。猪の子供を大きくなるまで育て食べるシーンでは涙ぐんだ。山で暮らす山で生きる事は生存競争の原点だ。その過酷な日常が驚きの臨場感で描かれている。雪に囲まれ孤独の闇と死が迫って来る場面では震えた。どうか楽しく生きて欲しい。幸せになって欲しい。2023/02/07
roatsu
15
山里はもちろん地方の都市ですら縮小・衰退して前世代から繋がる暮らしの多くが放置されそして急速に消えていくこの時代に、これからの日本人の一つの生き方の提示として面白い内容と思う。女性を含め若い世代が農山村に移住して営農や狩猟等に挑むことは今やもう珍しくないが、それでも多くの日本人は都市に住み、そうした暮らしには縁遠いのであり、著者の山村での無二の生活体験は瑞々しく刺激的だろう。ラストの方は山村暮らしのきっかけのこともあり、ちょっと心配になってしまったが、でも大丈夫なようでホッと。いい体験記でした。2023/10/11
onasu
11
タンパク源として「昆虫食」が認知された今でも、草刈り機の犠牲になったカエルを持ち帰ってとは…。(蝉をライターで炙って…、粉にして塩と混ぜて…てのも、頭では分かっていても…) 広島県の北端、島根との県境の旧芸北町に数年間一人暮らしをした20代女子の著者。食べることが好きで、好奇心旺盛、行動力もあって猟銃免許を取得、地域の人にも受け入れられて、根付くのかと思ったら…。 暫時育てていた猪を始め、僕らは命をいただいて生きていることを再確認させてもらえた。文章もしっかりしているし、これを糧にできたらいいですね。2022/11/29
ビッグマックツトム
6
今流行りのオシャレ狩猟女子的な本かと思ってたら、とても間違いだった。20代の感性豊かな著者が人生に悩みながら自分の居場所をみつけ周りの人に支えられ成長していく記録。狩猟の方法、田舎暮らし事情、少し変わったお食事情報など、令和の時代にお金では買えない新たな生き方を示してくれた。2024/01/12
ゼルビーチャ
5
装丁を含め素晴らしいの一語に尽きる。死が見えない現代に生きているすべての人に読んでもらいたい本。生とは何か?何が一番大切な事かを知らしめてくれました。ココとコテツの話では思わず息が詰まってしまった。老若男女すべての方に読んで欲しい本。2022/10/28