内容説明
山形県置賜地区から戦争に行った百十人、戦場の最前線を経験した証言。教科書だけではわからない、戦争の一断面。
目次
山口富一郎―練習と同じように、早く敵に野砲ぶってみたいと思っていた。
古畑定雄―命令一本で生きるか死ぬかの毎日。それが紙一枚と銀杯と時計をもらっただけよ。
上原武雄―軍刀を持っていると迷惑がかかると言われて交番へ持って行った。
高山丹寿―石鹸とタバコをお湯に溶かして飲んで、わざと下痢して、入院する人もいた。
佐野和多留―食えそうな物は何でも口に入れた。火を使うと知られるから、全部生で食った。
小林幸二郎―これはもう死ぬなと思った時は、必ず母親の顔が目に浮かんだ。
塚田米蔵―ソ連兵と組んでトラックで野菜かっぱらってきて料理した。
黒沢洋助―先の見えない毎日だった。食うことで精一杯だった。
鈴木豊次―目覚めたら隣の兵隊、豚小屋の材木が首に当たって死んでいた。
小貫幸太郎―赤紙来た時、丈夫な体だったら海の中で魚のエサになっていた。〔ほか〕
著者等紹介
阪野吉平[サカノキチヘイ]
1935年山形県東置賜郡川西町中郡生まれ。1956年山形県立農業講習所(現・県立農業大)卒業。同年、地元農業協同組合へ就職し34年間勤務。タウン誌などに写真日記の連載を多く手がけ、人物、花、山岳などをテーマとした個展開催は40回以上。県展連続入選。写真集として『古田歌舞伎―無形文化財指定山形県小国町沖庭小五年生の記録』(財団法人松坂世紀記念財団褒賞)そのほかの著作物がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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