神経伝達異常の基礎と臨床 - 老年精神・神経疾患治療へのアプローチ

神経伝達異常の基礎と臨床 - 老年精神・神経疾患治療へのアプローチ

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  • サイズ A5判/ページ数 151p
  • 商品コード 9784948742031
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》  神経伝達機構に関しては日々さまざまな新しい知見が重ねられており、それらの研究成果は神経伝達の異常を伴う疾患の病態研究や治療薬の開発をも促している。  本書は、そのような神経伝達に関する基礎的研究の成果と、それらに関連した臨床、とくに老年者の精神・神経疾患の病態と治療をめぐる問題を、手際よくまとめた1冊である。  近年、受容体や細胞内情報伝達の詳細がしだいに明らかにされるにしたがって、かえって専門家以外の人びとにとっては、神経伝達物質の神経伝達における作用や、疾患の病態における役割の理解は困難になってきている。他方、難治性精神・神経疾患の治療における神経伝達関連物質の重要性は、今後、ますます増大することと思われる。  著者は精神・神経疾患の臨床と神経伝達物質の生化学の両方に精通しており、老年精神・神経疾患の治療の視点から疾患と神経伝達機構とのかかわりが懇切に、しかも適度に簡潔に述べられ、図表も適当に配置されているため、とくに臨床家にもお勧めしたい解説書である。  本書の構成は、大きく分けて3つの部分から構成されている。最初の2章は、神経伝達物質についての基礎的事項、次の2章は、受容体および細胞内情報伝達機構、後半の6章は、神経伝達の異常とそれに伴う疾患の解説に当てられている。  具体的には以下のような内容となっている。 第1章 : 神経伝達物質の概念、メカニズム、種類、代謝などのほか、神経伝達物質研究の歴史にも触れている。 第2章 : アセチルコリン、カテコールアミン、セロトニン、GABA、グルタミン酸、アスパラギン酸などを伝達物質とするニュー       ロンの局在や投射経路など。 第3章 : シナプスでの神経伝達物質の放出に関連するシナプシンとカルスペクチンの役割、受容体のタイプ、各伝達物質の      受容体のサブタイプなどの解説。 第4章 : 受容体刺激に続いて起こる細胞内の応答におけるGタンパク、イノシトールリン脂質、プロテインキナーゼC、Ca、ホ      スホリパーゼCなどの関与について。 第5章 : 加齢ないしは脳の老化に伴う神経伝達物質および関連酵素、受容体などの変化について。 第6章 : アルツハイマー病における神経伝達機構の異常のなかで重視されているアセチルコリン作動系の変化について。 第7章 : その他の神経伝達物質の異常について。 第8章 : 脳血管障害に伴う神経伝達物質や細胞骨格タンパクの変化。 第9章 : パーキンソン病における神経伝達の異常について。 第10章: 神経・精神疾患における神経伝達物質を介する治療法の原理、実際例、問題点などについて。    《目次》 神経伝達異常の基礎と臨床--目次 ・まえがき ・第1章 神経伝達物質とは    I.神経伝達物質についての考え方    II.神経伝達の基本形    III.さまざまな神経伝達機構    IV.神経伝達物質研究の歴史    V.神経伝達物質の種類    VI.神経伝達物質の合成・分析経路 ・第2章 神経伝達物質の脳内分布    I.アセチルコリン      1.アセチルコリン・ニューロンの局在      2.アセチルコリン線維の分布    II.カテコールアミン・ニューロン      1.ドパミン・ニューロンの局在      2.ドパミン線維の分布      3.ノルエピネフリン・ニューロンの局在      4.ノエルピネフリン線維の分布    III.セロトニン・ニューロン      1.セロトニン・ニューロンの局在      2.セロトニン線維の分布    IV.GABAニューロン    V.グルタミン酸、アスパラギン酸・ニューロンのまとめ ・第3章 神経伝達物質の放出と受容体    I.神経伝達物質の放出      1.シナプシン      2.カルスペクチン    II.受容体      1.受容体のタイプ      2.アセチルコリン受容体      3.カテコールアミン受容体      4.セロトニン受容体      5.アミノ酸神経伝達物質      まとめ ・第4章 細胞内情報伝達    I.Gタンパク      1.Gタンパクと共役する受容体      2.Gタンパクの種類と機能      3.高分子量Gタンパクと低分子量Gタンパクの活性化と作用機序    II.イノシトールリン脂質代謝      1.イノシトールリン脂質の代謝経路      2.DGのプロテインキナーゼC活性化作用      3.イノシトールリン酸のCa2+動員作用      4.ホスホリパーゼCの制御      まとめ ・第5章 老化による神経伝達機構の異常    I.脳の老化と神経伝達物質    II.脳の神経伝達物質および関連酵素の変化    III.ヒト髄液における神経伝達関連物質の加齢による変化    IV.受容体の老化による変化      1.アセチルコリン受容体      2.ドパミン受容体      3.ノルエピネフリン受容体      4.セロトニン受容体      5.GABA/ベンゾジアゼピン受容体      6.オピオイド受容体      7.細胞内情報伝達      まとめ ・第6章 アルツハイマー病における神経伝達物質(I) -アセチルコリン作動系を中心に    I.アルツハイマー病における神経伝達物質の位置づけ    II.アセチルコリンのアルツハイマー病における異常      1.アセチルコリンの合成      2.アセチルコリンの分解      3.アセチルコリン受容体      4.アセチルコリンの基質の供給      まとめ ・第7章 アルツハイマー病における神経伝達物質(II) -アセチルコリン作動系を中心に    I.ノルエピネフリン    II.セロトニン    III.ドパミン    IV.アミノ酸    V.神経ペプチド      1.ソマトスタチン      2.バソプレッシン      3.コルチコトロピン放出因子      4.その他の神経ペプチド      まとめ ・第8章 脳血管障害における神経伝達異常    I.アセチルコリン    II.ドパミン    III.ノルエピネフリン    IV.セロトニン    V.アミノ酸    VI.神経ペプチド    VII・細胞骨格タンパク    まとめ ・第9章 パーキンソン病における神経伝達異常    I.パーキンソン病について    II.パーキンソン病におけるドパミンの変化    III.MPTPによるパー金躁病モデル    IV.パーキンソン病におけるドパミン以外の神経伝達物質      1.ノルエピネフリン      2.セロトニン      3.アセチルコリン      4.神経ペプチド    V.パーキンソン病にみられる症状と神経伝達物質      1.振戦      2.ジスキネジア      3.知的機能障害      4.自律神経機能障害      まとめ ・第10章 神経伝達物質を介する治療    I.神経伝達物質を介する治療薬の作用機序      1.神経伝達物質の基質の補給      2.補酵素の補給      3.受容体刺激物質      4.受容体遮断作用      5.神経伝達物質分解酵素阻害薬      6.神経伝達物質の取り込み阻害物質      7.神経伝達物質の放出の調節    II.神経伝達物質を介する治療の問題点      まとめ ・文献 ・索引  

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