内容説明
ダリはどのようにして天才になったのか…その生涯を追いながら、生地カタルーニャを巡れば、誰も想像しえなかった真実が今ここに浮かび上がる。
目次
第1章 天才ダリを生んだカタルーニャの謎(見よ!サルバドール・ダリの誕生だ!;コック、ナポレオン;ダリの三角点;故郷フィゲラス;サン・フェランの要塞;母の死、そしてマドリード国立美術学校入学;カダケス;妹アナ・マリアとの愛;父親の別荘)
第2章 ガラとダリの謎(運命の一九二九年―パリ・デビューとガラとの出会い;ガラとの愛の地、ポルト・リガト;ダリの卵の家)
第3章 神秘主義宣言の謎(アメリカでの成功;クレウス岬;ダリ劇場美術館)
第4章 二つあるダリの墓の謎(ジローナ;プボル城―古城に秘められたガラの神秘;晩年―永眠)
卵にこもりたかったダリ―あとがきにかえて
著者等紹介
村松和明[ムラマツヤスハル]
1963年、愛知県岡崎市生まれ。武蔵野美術大学卒業。2003年、スペイン政府の給付により渡欧、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロを研究。論文をもとに構成されたNHKの特別番組「私が噂のダリである」が国際エミー賞(International Emmy Award2006)にノミネートされる。現在、岡崎市美術博物館「MINDSCAPE MUSEUM」学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
24
カタルーニャの片田舎 ポルト・リガトの海辺に面したアトリエで、あの膨大な数の作品を制作し続けたダリ。表紙写真がそのアトリエから眺めた小さな港と教会の風景である。この一見平凡な町のどこから、あの奇抜な世界観が生まれてきたのか、、、筆者は残されたアトリエや海岸、ダリ劇場美術館、妻ガラに贈ったプボル城を細かく巡り作品世界との関連、ダリの生涯に想いを馳せる。見えてくるのは、奇抜なだけでないダリの真実の姿なのか。2019/06/22
こつ
10
ダリ展に行く前に勉強して行こうと図書館で発掘しました。作品的なことよりダリの内面に深く踏み込んだ内容となっていました。奇抜な傑物なイメージが勝手にありましたが、妻であるガラとの関係性を思うとぐっとくるものがありました。夫婦の形は千差万別ですね。悪妻ではありますが、彼の作品に与えた影響を考えると単純に批判できないなと考えさせられました。2016/09/20
さっちも
6
ダリと妻ガラの事が知りたく読んだ。ガラは性に対して奔放で貪欲な女。若い芸術家のパトロンになったり、家に出入りするヒッピーと関係をもったり、近くの漁師と関係をもったりとしながら、60歳を越えても男が絶えない豪傑。ダリはそんな彼女に永遠の愛をちかい、作品を描き彼女の浪費の為のお金を稼ぎ続ける。倒錯した愛が、作品の源泉という苦しい苦しい話だった。2016/02/13
oDaDa
2
福岡の市立美術館で「ポルト・リガトの聖母」という巨大な絵を見てから、ダリの虜だ。カタルーニャの田舎にあるダリの原風景、ポルト・リガトは、愛するガラとともに暮した、ダリの画風に多大なるインスピレーションをもたらした郷愁の地である。私は、いつかこの聖母に導かれ、訪れられることを望んでいる。2016/04/11
圓子
1
ガラとダリの関係に涙。つまらない誤植を発見。2011/08/17
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