内容説明
インドの森や山間部に多く住む先住民たちは、今も数千年前の文化を守って暮らしています。その先住民の村々を長期にわたって訪ね歩き、土壁に描かれた美しい壁画を撮影。近代化によって消滅の危機にある先住民の壁画を記録した貴重な写真集です。
目次
ワルリー画
ピトラ画
ビル画
ミーナー画
ハザリバーグ画
サンタルの壁画
著者等紹介
蔵前仁一[クラマエジンイチ]
1956年鹿児島生まれ。1980年代からアジアを中心に世界各地を旅行。1995年、出版社「旅行人」を設立。2000年代に入ってインドの田舎を旅して、先住民アートを取材する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
40
読み友さんの感想を読んで。フォークアートは全般的に好きですが、家そのものが古代の壁画みたいな村があるなんて、もううっとりです。描かれている日常や動物、パターン。大胆でどこかユーモラスな絵を眺めながら、人間はこうやって自分たちの日々を記録してきたんだなあ…と思わずにいられませんでした。ていうか、私この村に行って描いてみたい。2024/09/12
りー
28
温かい色の土壁に、石灰の白で描いた絵。建材に煉瓦を使うのを政府が推奨するようになり消えかかった文化を、外国人が惜しみ、保存を働きかけているそう。カクカクした建築フォルムに慣れた現代日本人ですが、土壁のふんわり感に和みます。藤森照信さんの建築「ねむの木学園」も、こんな感じがしたよな~と思い出しました。絵のテーマは、動物や花、人々の生活、神(精霊?)。もしかしたら…古代の日本もこんな紋様で彩られた家に住んでいたかも?と、思わず想像してしまいました。インドにアーリア人が入ってくる前から続く文化。インド、深い!2021/07/18
booklight
25
おお、これは民藝ではないか。アーリア人が入る前の先住民の生活に根付いたアート。母が絵を描いて娘に伝える。絵柄はなんとなく似ているけど家ごと、人ごとに違っているようなものもあれば、一人の人が始めて認知が広がった絵柄や、一時期すたれたものをサポートする人が出てきて続いている絵もある。自由にのびのびと描かれている絵が、そうか絵の悦びとはこういったものだったと思い起こさせる。なるほど民藝のよさは、作り手が作品と近いことで作る楽しみと工夫とユーザーの悦びのサイクルを速く回せることに特徴があるのでは、と思いをはせた。2024/08/24
さすらいのアリクイ
14
著者の蔵前さんがインドの先住民の家の土壁や床などに描かれた画を撮った写真集。本のまえがき的な「インド先住民とは何か」には一部の画を除き母から娘に描き方が受け継がれること、一つの地域や村ごとで同じスタイルの壁画が描かれるが家や描く女性によって描き方は微妙に変化し個性が出ること、インドの田舎の家はレンガの家が増え、土壁の画は減少傾向にあるといった壁画のことや現状が書いてあります。文章だけではこの写真集に載っている画の不思議さ、可愛らしさは伝わらないと思うので、ネットか又はこの本でまずは画を見て下さい、ですね。2019/06/02
ジュースの素
10
蔵前さんの「分け入っても分け入っても…」を読んだ時も凄い衝撃だった。この本は、更に地域や画法を大別して美しい写真で構成している。壁や布に描かれた 生活の絵、摩訶不思議な動物の絵などその民族が持つ独特な感性の味のある絵がいっぱいだ。 中国の農民画の本を持っているが、画法も画材も暮らしの様子も違うので、全く別の風景。 蔵前さんの凄い仕事だ。2020/02/05
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