内容説明
本書は琉球方言の意味論に関する初めての書物であるから、今後語彙や地点を増やした研究によっては、さらに詳しい意味体系や沖縄のものの見方、及び思想が明らかになるであろう。国際化が叫ばれる中で、方言の復興を可能にするには、如何にして沖縄のアイデンティティを育むかに掛かっている。意味論はそれに寄与するであろう。琉球方言の意味論的研究が盛んになり、琉球の世界観の認知を明らかにすることは勿論、それを辞書の意味記述にも役立てることが望まれる。本書はこれまで刊行した論文に、書き下ろしの論文を加えてまとめたものである。既に刊行した古い論文の中には、手直ししたものもある。また宮古西原方言のデータは、主に筆者の内省によるものだが、内容には慎重を期すよう努力した。用例はなるべく多く集めたが、その中で重要と思われるものを用いた。
目次
序章 意味論の方法
第1章 名詞語彙
第2章 動詞語彙
第3章 形容詞語彙
第4章 助詞語彙
第5章 助動詞語彙