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出版社内容情報
版画誌「月映」や萩原朔太郎の第一詩集「月に吠える」の挿画で知られている田中恭吉の初の本格的画集。23歳の生涯を木版に刻む。それはまさに“傷める生命”そのもののやるせない絶叫であった。
内容説明
創作版画黎明期、『月映』同人として青春を版に刻んだ夭折作家初の画集。人間の魂に訴えかける「蒼白の芸術」。「傷める生命の絶叫」。
目次
図版
故田中恭吉氏の芸術に就いて(萩原朔太郎)
田中恭吉の芸術(恩地孝四郎)
版画を始めた頃の思出(藤森静雄)
田中恭吉小伝(大槻憲二)
田中恭吉年譜(三木哲夫)
田中恭吉作品目録
主要文献目録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
68
23年の短い人生だった田中恭吉の作品集。田中恭吉の人となりが伝わる文章や、日記や手紙を元に書かれた年譜が読み応えありました。2015/10/08
yn1951jp
34
多くの作品が原寸大で観賞できる素晴らしい画本。朔太郎は恭吉の芸術を「対象の得られない性慾の悲しみを訴へ…墓場の下から身を起こさうとして無益に焦心する、悲しいたましひのすすりなきのやうなもの」があり、『性慾の嘆き』と『死に直面する恐怖』との感傷的交錯」という。そして「自分の求めてゐる心境の一部分を、田中氏の芸術によって一層はっきりと凝視することが出来た」という。(故田中恭吉氏の芸術に就いて/月に吠える)『月に吠える』は朔太郎が詩と絵の「芸術的肉交」を熱望し、恭吉と恩地孝四朗と共作した美しい「詩画集」。2015/07/05
双海(ふたみ)
25
ちょうど去年の今頃、美術史の講義で田中恭吉の絵をじっくりと見ました。今日、改めて見てみると、なんとなく懐かしい気持ちになりました。田中恭吉――大正4年10月23日、自らの生命を燃焼させ、生と死との凄まじい緊張を表現した作品を残して23歳の短い生涯を閉じた・・・。萩原朔太郎「故田中恭吉氏の藝術に就て」、恩地孝四郎「田中恭吉の藝術」などの文章も採録しています。2015/06/17