内容説明
妻の死、そして故国の併合―。創作の危機に立たされたシュトルムは、異形の画家ブルンケンに託し、自らの生と芸術を問い直す。『みずうみ』・『白馬の騎手』の作者による知られざる中期の佳品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
112
          
            シュトルムの作品は学生時代から愛読していたのですが今までに読んだことがない作品でした。それまでにかなり読んでいた叙情的な作品というよりも自己の内心をさらけ出してこのままでいいのかというような問いをこの作品によって表現している感じがしました。ドイツ語で読みたくなりました。2019/11/02
          
        ワッピー
16
          
            シュトルム中期の作品。シュトルムが失意の時を迎え、自分のあり方についての懊悩から、画家ブルンケンのコンプレックスと手の届かない愛から抜け出して、弟子を育て「自分を使い切る」境地にいたる心理的葛藤を描いています。自分をあるがままに受け入れること・自分の人格を使い切る義務という観念が直裁に出ているように感じましたが、それだけ苦悩が深かったのかとも感じます。深く考えずに読んできたため、前期・後期の作品のイメージがない。今調べたら、シュトルムが葬られたのが聖ユルゲンだったとは!「聖ユルゲンにて」は名作です!2019/04/02
          
        

              
              
              

