感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
286
著者の笠間良彦氏は歴史・民俗学者。本書はこの人の遺稿を整理したもの。内容は龍とドラゴンに関する歴史百科事典といった趣き。古代メソポタミアのイシュタル門のレリーフに描かれた龍(紀元前570年頃)にはじまり、中国では『山海経』(紀元前4世紀頃)の龍、日本では記紀のヤマタノオロチあたりを嚆矢とするようだ。なお、古代バビロニアには英雄による龍退治の物語があり、これは世界的な広がりを持っていた(もちろんヤマタノオロチ退治も)。最も詳述されているのは日本篇で、古代から近現代までを網羅する。なお、本書は全ページに⇒2024/01/20
bvbo
3
辰年なので。ヨーロッパ・中国・日本。日本の龍の変遷も面白かった。2024/01/15
竜王五代の人
3
図説と謳うだけあって、各見開きごとに左側が竜の図絵の解説に与えられていて見ていて楽しい本。最初の方で西洋や古代文明の竜(=神秘化された蛇、デザイン的には文字通りの「蛇足」)に広く述べた後、古代から現代にいたるまでの日本の竜のデザインの変化と説話を述べる。(次第に俗化する)時代精神で説明しようとする著者の姿勢はどうかと思うが、曲がったヒゲやうねる蛇体といった日本の竜らしさは最初からあったものではないというのは面白い(最初期の走る竜も良い)。しかし、雷文や両文が竜の変形というのは呑み込みがたいなぁ。2021/12/01
未完AAA
3
日本の龍が、時代によって強かったり老いてたりする、という発想と観察眼が凄くいい!龍の図柄を見たときに、ただ「龍だ!カッコいい!」と思っていた自分がちょっと恥ずかしい…きちんと甲乙見分けられるヘビさま好きになりたいものです。2011/07/31
こぽん
3
龍の起源に迫れる本。ヨーロッパ、インド、中国、日本とそれぞれの龍について述べられていて、とても興味深く面白かった!龍って案外奥が深いですよ^^2011/02/20