内容説明
生きて帰れなかった孤児たちの深い悲しみと真実の叫び!難民収容所で栄養失調や病気と闘いながら、必死に生き抜こうと励まし合った仲間たちへのレクイエム。
目次
「けんちゃんを殺してよ!」
けんちゃんのズボン
一杯のラーメン
ともちゃんのおへそ
満州の星くずと散った子供たちの遺書
金のひしゃく
赤いはちまき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
5
敗戦後、難民収容所に逃れてきた満州移民の子供達の記録。避難中に目の前で家族をソ連軍に殺され、収容所では飢餓と極寒と栄養不良のための病気のために次々と亡くなる子供達の姿が辛すぎる内容で、読み進むのが大変だった。切羽詰まると大人も子供達に容赦ない態度を取る。中には、飢える子供達の前で食事しながら、「臭いから側に寄るな」と殴る者もいる。小学生ぐらいの子供が「僕はもう助かりません」と言う地獄、凍った子供達の遺体が庭に積み上がる地獄、只々地獄の中、健気に助け合う子供達の心根が痛ましい。2020/04/04
いそもり
5
戦後の満州で孤児となったこどもたち、金のひしゃく、一杯のラーメンをはじめ、どの話を読んでも、涙なくして読めませんでした。どんなにつらくとも最後までまわりの人々を思いやり助け合うやさしさ、勇気、亡くなったあとにも残された方々に対する思いやりなど..、最後まで立派に生きてこられたことに本当に頭が下がります。作者の増田さんが伝えたかったこと、自分なりに受け止めて、胸に刻ませて頂きました。2015/09/13
ノンノン
3
中国残留孤児の事はたびたび耳にする。 でも中国人に拾われず死んでいった子供たちの話は知らなかった。 今、憲法改正の動きがある。 もし、第9条がなくなったら…。 彼らの悲劇が再び繰り返されない事を願う2013/05/06