内容説明
人はそれぞれの心臓を生きている。そして、自分の心臓が支えてくれるだけの活動しかできない。自分の心臓の働きと、“社会”が求めるパフォーマンスのあいだでどう折り合いをつけるのか。それをはかりながら生きている。他者の心臓は、自分のそれとはまた少し違う仕様でできている。多様な身体が出会う“社会”のなかで、私たちは、他者の心音に耳を傾けることができているだろうか。
目次
序章 この心臓とともに生まれて
第1章 同調と調整、秘匿と開示―見えない病い・障害とともに“社会”を生きる
第2章 生活史の継続―標準化されたライフコースとの近接的な隔たりを生きる
第3章 同調の場における身体―学校を生きる
第4章 働き続けるということ―職場を生きる
第5章 転機としての体調の変化―「混乱」や「滞留」を超えて、自分の身体を生きる
第6章 生活史上の出来事としての再手術―先端医療技術とともに生きる
第7章 思い描いていた未来とは別のかたちで―二重の不確かさを生きる
第8章 「普通感覚」―差異を受けとめながら、自分らしく生きる
第9章 「生」への信頼はどのように生まれるのか―命の危機を超えて生きる
結語 この心臓を生きる
著者等紹介
鈴木智之[スズキトモユキ]
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。帝京大学文学部講師をへて、法政大学社会学部教員
宮下阿子[ミヤシタアコ]
法政大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。法政大学社会学部ほか兼任講師
中脇美紀[ナカワキミキ]
法政大学社会学部社会学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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